放送内容

第1425回
2018.05.13
移住体験・山梨県北杜市 の科学 場所・建物

 今回の目がテンは、「移住シリーズ」第2弾!最新の「住みたい田舎ランキング」で堂々1位に選ばれた注目の移住先「山梨県・北杜市」を科学します。一体なぜ、人々はこの街に惹かれるのか?俳優の金丸慎太郎さんが1週間の移住体験で町の魅力を調査。たくさんの思いがけない出会いに…先輩移住者が語る移住生活のホンネとは?豊かな自然に時を忘れ…
 実際に暮らして分かった“理想の移住生活”とは?

移住に欠かせない家探し!

 新宿からJR特急で約1時間40分、韮崎駅からバスで20分。やって来たのは、山梨県の北西部に位置する「北杜市」です。街からは、八ヶ岳、さらには南アルプスの雄大な自然がのぞめます。景色を楽しみつつ、まず向かったのは市役所。ここで、移住者向けに空き家を格安で提供してくれる「空き家バンク制度」を利用します。物件を案内してくれるのは、地域課の小林さんと、不動産業者の長田さんです。
 まず向かったのは、町の中心部にある門構えの素敵な物件。

 気になるその中はというと、綺麗な庭と広い室内。さらに、2階の洋室からは富士山が見えます。そして、台所には立派なキッチンも!そんな7DK庭付き一軒家の家賃は、5万5000円。この破格の安さが、移住者に人気の理由。
 しかし金丸さんは、もっと自然を感じられるようなお家を求め、続いての物件へ。
 それは、森の中に佇むおしゃれな一軒家。

 広々と開放感のある空間で、窓も大きく日当たり良好。さらに広いウォークインクローゼットに田舎暮らしの憧れ、ウッドデッキも。金丸さんは、この物件を気に入ったのですが、実は売り物件であることが判明。さすがに、移住体験で購入はできないので、今回はオーナーのご好意により特別に貸して頂けることに。北杜市では、こうした自然を身近に感じられる物件が多く、手頃な値段で手に入るのも魅力です。
 家が決まり、ここからいよいよ1週間の移住体験がスタート!と、金丸さんが向かったのは、ご近所さんへの挨拶。そう、移住生活では、ご近所付き合いが何より大事。
 挨拶周りを終え、ぶらぶら街を散策していると、見つけたのは巨大な農業用ハウス。一体何を作っているのか?ハウスを経営する藤巻さんに、中を見させてもらうと、端から端まで全部トマト。実は北杜市は、大型ハウスを使った農業が盛ん。その理由のひとつが、山梨県が日本一を誇る日照時間。周囲が山々に囲まれているため、雨雲が入りづらく、晴れの日が多いんです。こうした環境により、作物が光合成をしっかりと行え、より美味しく育つというんです。しかも、北杜市には農業大学校があり、様々なジャンルの農業を働きながら学べるのも魅力なんだとか。

 そんな中、ある移住者に出会いました。月尾さん34歳。去年、兵庫県尼崎市から家族5人で移住してきました。移住前は、住宅販売の営業マン。現在は北杜市の地域おこし協力隊として農業関係のPR業務を行っています。移住した理由は、自然豊かな場所で子育てをしたいという思いから。
 仕事を終え、次女のサナちゃんを迎えに行く月尾さんに同行させてもらいました。実は北杜市では、第2子以降の保育料は無料。しかも待機児童はゼロと、充実した子育て環境も移住先として人気の理由。

 自宅に戻った月尾さんに他の家族を紹介してもらいました。看護師として働く妻のユキさんに長女のユラちゃん。長男のセラくんは小学4年生です。その後、夕食作りに取り掛かる月尾さん。移住前は数えるほどだった料理も、現在は夜勤の多い妻に変わり、率先して食事作りを担当しているそう。
 今夜のメニューは、子供達の大好物、山梨の郷土料理「ほうとう」。金丸さんもごちそうになることに。
 食後、子供たちに北杜市への移住について聞いてみると、「最初は辛かったがだんだん慣れてきて友達もたくさんできた」と言います。月尾さん夫妻も「自然が手軽に触れ合える環境がとても気に入っている」と言います。
 こうして、移住生活初日が終了。

先輩移住者から学ぶ北杜市の魅力とは?

 移住生活2日目。この日は先輩移住者、月尾さんが借りている畑のお手伝い。ブルーベリーの苗を植えました。自然の中で、土に触れる生活ができるのも北杜市の魅力です。

 農作業を終えると、月尾さんがある場所へ案内してくれました。それは、南アルプスの天然水が無料でくめるスポット。この水は南アルプスに降り注ぐ雨や雪解け水が、花崗岩によってろ過された、ミネラル分豊富な天然水。手軽に自然の恵みを堪能できるのも北杜市の魅力です。

 続いてやって来たのは、地元の食材が揃うスーパー。月尾さんが、ここで今晩の食料を買うというので、金丸さんも夕食の材料を買うことに。金丸さんがゲットしたのは北杜市の名水で育てた「八ヶ岳湧水サーモン」と山梨のブランド肉「甲州富士桜ポーク」。
 さっそく自宅に戻り、大自然の中、調理スタート!八ヶ岳湧水サーモンは、塩こしょうで味付けをし、月尾さんから頂いたネギを加えます。そこにバターをのせ、ホイル焼きに。甲州富士桜ポークは豪快に炭火で焼き、パンに挟んでサンドイッチに。その味に金丸さんも大満足。

 移住生活3日目。この日は別の先輩移住者を訪ねます。中森友一さんと葉さん夫妻。6年前、東京から移住してきました。中森夫妻が住むのは、かつては、地元の名士の邸宅、築100年の建物をリフォームした古民家です。土間にはご主人が趣味で書いた書や版画が展示され、ギャラリーに。移住前は、食品関係の仕事をしていた友一さん。理想の環境で趣味の創作活動をしたいと移住を決意しました。そんな友一さんにとって北杜市の魅力は「四季」。北杜市は、同じ市内でも集落によって標高差が約1000mもあります。同じ日の桜も、麓は葉桜ですが、中腹では満開。つまり、季節の変化がより長く楽しめるというんです。

 さらに、北杜市の自然の恵みは他にも!市内には様々な泉質の温泉が10か所以上もあり、中にはフリーパスを購入すれば200円以下で入れる所も。

 しかも、温泉スタンドがある施設もあり、自宅に持ち帰って天然温泉が楽しめるんです。
 こんな魅力的な街ですが、当初、妻の葉さんは、今さら田舎に戻らなくていいと移住に猛反対だったそうです。しかし、実際移住すると、食べ物は美味しいし、ご近所さんから新鮮な野菜がもらえたりと、その魅力に気付いたそうです。

自撮りでリアルな移住生活を調査!

 移住生活3日目の夜。ここからは移住体験シリーズ恒例、町の人の本音を聞き出すため金丸さん自らがカメラを回し、撮影します。
 移住生活4日目、初日の挨拶回りで出会った向山さんのお宅へ。93歳の向山さんにお茶をいれてもらい親睦を深めます。その後、地元で仙人と呼ばれている大林さんに、山菜採りに連れて行ってもらいました。
 別日には、向山さんが差し入れを持ってお孫さんと遊びに来てくれました。金時豆を使ったこの地域伝統のお赤飯に、じゃがいものおやきなど、向山さんの手料理が並びます。そこで金丸さんは、翌日釣りに行くので、向山さんのために魚を釣って来ることを約束。そして翌日、地元の釣り名人と、渓流釣りに挑戦。しかし、1匹も釣れず…。

 さらに、別の先輩移住者、藤井さんのお宅では貴重な体験をさせてもらいました。白樺の樹液を煮沸・ろ過したものを頂き、さらにはハンモック体験。こうして、金丸さんの自撮りカメラに収められていたのは雄大な自然と地元の方との充実した日々。
 1週間の移住生活を終え、スタッフが合流。1週間過ごしたこの家ともお別れです。すると、移住生活で出会ったみなさんが、別れのあいさつに来てくれました。金丸さんは「最高の移住体験でした」と今回の移住体験を終えました。