放送内容

第1464回
2019.02.24
移住体験・山形県酒田市 の科学[前編] 場所・建物

 今回の目がテンは、「移住シリーズ」第5弾!舞台は、山形県の北西部に位置する「酒田市」。市町村別のランキングでは、シニア世代と若者世代の「住みたい田舎・東北1位」に選ばれたいま注目の街です。春には桜と共に雄大な鳥海山が望め、秋は黄金色の田園風景が町を彩る、風光明媚な場所。
 しかし!冬は…見渡す限り、雪…雪…そして雪。こんな雪国で、暮らすには大変そうなイメージなのに一体なぜ、人々はこの町に惹かれるのでしょうか?今回も、町の魅力を探るべく、金丸慎太郎さんが最も雪深い時期に1週間の移住体験。そこには、先輩移住者たちとの素敵な出会いが。そして、地元の人々との温かい触れ合いも。しかし、雪国ならでは生活の苦労もありました。
 今回は、注目の移住先!雪深き「山形県・酒田市」を前後編、2週にわたってお送りします。

山形県酒田市で家探し!

 東京・羽田空港からおよそ1時間、そこからバスで30分。やってきたのは、山形県酒田市。この日は厳しい寒波に見舞われ、金丸さん、初日から雪国の厳しさを味わいます。江戸時代、酒田市は米などを輸送する北前船の交易により、京都の舞妓をはじめ、全国の文化を自由に取り入れた町。
 また、日本中が涙した、あの「おしん」の舞台としても有名です。吹雪が収まったところで、まずは恒例の家探し。向かったのは、「酒田市交流ひろば」。

 ここでは、移住に関する様々な相談に乗ってくれます。家探しについて、市役所の東海林さんと薬袋さんに聞いてみました。酒田市には、空き家情報サイトがあるのですが、移住者に提供できる住宅が少ないため、不動産情報誌で探すのが一般的。他にも、知り合いのツテで探す方法もあるそうなので、今回は、知り合いの空き家を紹介してもらいます。
 市街地から車で移動すること30分。かなり雪深い山間にあったのは、空き家のため、除雪が行なわれておらず雪で覆われた一軒家。

 玄関にたどり着くのもひと苦労。気になる家の中は、1階に5部屋、2階に2部屋、そして広々としたキッチンもある7DKの家。
 しかし、人といっぱいからんでいきたいと金丸さん。別の物件を紹介してもらいます。
 そこで、続いて向かったのは、市街地からも近く、地元の人も数多く住んでいる場所。こちらは、酒田市の移住お試し住宅。移住を検討されている方が酒田での生活を体験するのに使える施設なんです。

 では、その家の中はというと、間取りは2LDKと、家族で住むにも十分な広さ。さらに食器や家電も揃っており、すぐに住むことができます。そんなお試し住宅の気になる家賃は、電気、ガス、水道、含めて全部無料。移住を検討している人は、最大7泊8日、無料で利用することができるんです。
 金丸さん、この家に即決し、移住する家が決定!いよいよ酒田市で、7日間の移住体験が始まります!

 酒田市の“移住したイイね”ポイントは、無料のお試し住宅。条件をクリアした方は、最大7泊8日住むことができること。
 一方で、実際に住んでみて分かった酒田市の“う~んポイント”は、年間を通して風が強いこと。酒田市は年間を通じて強い風が吹き、春から秋は、最上川沿いの山の谷間から庄内平野にかけて、「清川だし」と呼ばれる風が吹きます。そして冬は中国大陸から北西の季節風が吹き荒れ、雪が降っていなくても雪が舞い上がり、地吹雪となる日も多くあるんです。

先輩移住者から学ぶ酒田市の魅力とは?

 まずは、移住生活で欠かせない、ご近所へのあいさつ回り。家の中へお邪魔させてもらったのは、庄内弁をつかう佐藤さん。実はこの方、この地区の自治会長さん。 この日、地区の文化祭の準備をしているということで、連れて行ってもらいます。突然の訪問にも関わらず、昼食を用意してくれました。厚揚げが入った、カツオ、昆布だしのうどん。金丸さん、さっそく地元の人たちの温かい歓迎を受けました。

 続いて訪ねたのは、先輩移住者の山脇文子さん。4年前、東京から夫婦で移住してきました。以前は、東京の区役所に勤務していましたが、現在は、酒田市が運営するまちづくりセンターで、地域の産業を活性化する仕事をしています。この日、そろそろ仕事が終わるというので山脇さんの自宅へ伺うことに。
 自宅には、お休みだったご主人の輝久さんとペットのワンちゃんが2匹。移住前は、転勤の多い会社に勤めていたという輝久さん。現在は山形県内の転勤のない会社で働いています。
 酒田市の人々の温かさに触れ、移住を決意したといいますが、「なまりが本当に強くて」と、移住当初は苦労もあったそう。そんな経験を生かし、山脇さんは移住者交流会を立ち上げ、定期的に移住者同士、交流を図っています。

 初日から、多くの人と触れ合った金丸さん。酒田市移住生活、1日目が終了です。

 酒田市の“う~んポイント”は、方言に慣れるのに時間がかかること。特に、年配の方が庄内弁を使われており、聞き取るのに苦労します。
 一方、“移住したイイね”ポイントは、移住者同士の交流会が定期的に開かれており、仲間を作れたり、移住生活の悩みなども相談できること。

先輩移住者と一緒に除雪を初体験!

 移住生活2日目。この日は、先輩移住者の山脇さんに誘われ、集落の除雪ボランティアへ向かいます。バスは市街地を離れ、到着したのは、酒田市の山間部にある豪雪地帯「日向地区」。
 そしていよいよ除雪現場のお宅へ。2階まで積もった雪の塊を除雪します。まずは、雪で滑らないよう、足元を紐でしばります。これも、雪国ならでの生活の知恵。金丸さんも雪かきを開始。集めた雪は、流雪溝と呼ばれる水路に投入していきます。この作業をひたすら繰り返していきます。毎年ボランティアの協力がないと生活ができないほどなんです。

 ここで金丸さんが、上から雪の塊を崩していくことに。慣れてきたのか、なかなか上手に雪かきを行なっています。6人のボランティアで除雪を開始して、3時間。高く積もった雪がなくなり、玄関も姿を現しました。これにて、除雪は終了。
 除雪後は、地元の人がボランティアの人達を労う昼食会。疲労困憊の中、餅つきに参加する金丸さん。ついたお餅は、あたたかい料理として振る舞われます。この地域でよく食べられる、「汁餅」と呼ばれるお雑煮。うどんと同じく、厚揚げを入れるのが特徴です。

 この日の夜。子供たちが集まる「ミニ雪まつり」というイベントが行われました。願いごとを書いたランタンを夜空にあげる、スカイランタン飛ばしが行われます。
 願いを書き終えたら、いよいよ外へ。ランタンに火を灯し、空へと上げます。準備ができたところで、子どもたちの願いは、冬の夜空へと空高く舞い上がりました。

 移住シリーズ後編は、釣り好きが高じて、移住を決意した先輩移住者に出会います。そして、恒例の自撮り生活も。