8月10日(水)深夜2:49〜3:49

指 揮 シルヴァン・カンブルラン
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

スメタナ作曲 :
連作交響詩<わが祖国>から交響詩<モルダウ>
ヤナーチェク作曲:
シンフォニエッタ
狂詩曲<タラス・ブーリバ>から
 第3曲“予言とタラス・ブーリバの死”

※2011年4月25日 サントリーホールにて収録



チェコを代表する作曲家 スメタナ&ヤナーチェク特集!
読響常任指揮者シルヴァン・カンブルランさんの指揮で、スメタナとヤナーチェクの作品をお送りしました。

今回お送りしたコンサートが行われたのは4月25日。東日本大震災の影響で、多くの海外アーティストが来日をキャンセルする中、シルヴァン・カンブルランさんはいち早く日本を応援しようと、震災直後に来日されました。

カンブルランさんから日本の皆様へメッセージ

日本に来ることは当たり前だと思っていましたし、来日しないということは一度も考えませんでした。こういう時期だからこそ、日本で皆様をサポートしたいと強く思ったのです。芸術そして音楽の使命は人に安らぎや希望を与えることだと思います。オーケストラはそれを皆様に届けることができるし、そうすることに使命感を持っています。日本の皆様はとても強い心を持っています。でも今を乗り越えたら、きっともっと強くなれます。


スメタナ作曲 連作交響詩<わが祖国>から 交響詩<モルダウ>

スメタナはチェコを代表する作曲家。19世紀後半に、民俗的な題材を使って作曲する国民主義の音楽を確立。
この曲は連作交響詩<わが祖国>の全6曲の中で最も有名な曲で、モルダウ川の流れが絵画的に描写されており、スメタナの祖国への愛が強く表れている。


ヤナーチェク作曲 シンフォニエッタ

ヤナーチェク

ヤナーチェクはチェコのモラヴィア地方出身の作曲家。ヤナーチェクの音楽には、チェコの民俗色がより強く表れているのが特徴。この「シンフォニエッタ」にも、モラヴィアの民謡や舞曲のメロディ、リズムがたくさん取り入れられている。日本では村上春樹のベストセラー小説「1Q84」に登場したことで一躍有名に。ヤナーチェクは60代なかばを過ぎた頃、38歳年下の人妻カミラと熱烈な恋に落ち、そこから亡くなるまでのおよそ10年間に作曲家としての最盛期を迎えた。


シルヴァン・カンブルラン インタビュー

「シンフォニエッタ」ではトランペットのファンファーレが象徴的に登場します。これは祭典や祝福という意味を持っていますが、この曲の魅力はそれだけではありません。この曲のいたるところに郷土に根付いた民俗的な要素がたくさん出てきます。特に第1楽章にはそれが表れていて、とても楽しく、舞曲のようにダイナミックです。第5楽章はとても興味深いのですが、まるで混沌としたカオスのような音楽なのです。

聴いていると、とても破壊的で今にも崩壊してしまいそうです。 これはヤナーチェクの祖国の人々の使命を表していて、破滅しそうな状況の中でも一致団結して進んでいくという気持ちが表れています。今どんなに難しい状況にあっても、皆で団結すれば必ず乗り越えられることや、前向きな気持ちを信じて生きることの大切さがこの曲には表現されているのです。

ヤナーチェク作曲 狂詩曲<タラス・ブーリバ>

17世紀に実在したコサックの隊長ブーリバと息子たちの死を描いた、ゴーゴリの小説をテーマに作曲された。ブーリバがポーランド軍に捕らえられ、火炙りにされる前に叫ぶ言葉、「炎も拷問も国民を打ち負かすことはできない」というフレーズに深く感動し、この曲を書くに至ったと言われている。モラヴィア語のアクセントやイントネーションを活かした独自のメロディが聴きどころで、物語のドラマチックなシーンが描写されている。



「狂詩曲」とは、自由な形式による民族的または叙事的内容を表現した器楽曲のこと。<タラス・ブーリバ>は全3曲から成り、今回は第3曲“予言とタラス・ブーリバの死”をお送りしました。


楽員が聴きどころを紹介!
読響コンサートへの誘い!!

ヴァイオリン奏者
島田玲奈     寺井馨

2011年9月5日(月) PM7:00 東京オペラシティコンサートホール
     9月6日(火) PM7:00 サントリーホール


《オール・ベートーヴェン・プログラム》
ベートーヴェン/<エグモント>序曲
          ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58
          交響曲第7番 イ長調 作品92

指揮:シルヴァン・カンブルラン(読響常任指揮者)
ピアノ:スティーヴン・コヴァセヴィッチ

寺井:今回はベートーヴェン・プログラムですが、予想ではすごく綺麗で、でも重みもありすごく味のある
   ベートーヴェンになると思います。

島田:メインは第7番の交響曲です。「べト7」として皆さん親しまれていると思います。すごく熱い曲なのですが、
   カンブルランさんのおしゃれな感じと合わさるのがすごく楽しみです。

Q.カンブルランさんはおしゃれ?
島田:おしゃれですね。基本、白パンツに白靴です。
寺井:爽やかに颯爽と練習場に入ってきます。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

シルヴァン・カンブルラン(読売日響第9代常任指揮者) Sylvain Cambreling(conductor)
1948年フランス・アミアン出身。バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)交響楽団の首席指揮者およびクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を務めており、独創的なプログラミングと、現代音楽に対する深い造詣が高く評価されている。オペラの分野ではベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽総監督を務め、またザルツブルク音楽祭への出演のほか、パリ・オペラ座の主要な指揮者として多くの作品を指揮。 これまでにウィーン・フィル、ベルリン・フィル、クリーヴランド管、ロサンゼルス・フィルなどを指揮。 2010年4月、読売日響第9代常任指揮者に就任。 2012年のシーズンから、シュトゥットガルト歌劇場の音楽監督に就任することが決まった。