4月18日(水)深夜2:50〜3:50

指 揮 上岡敏之
ソプラノ キルステン・ブランク
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

マーラー作曲:
交響曲第4番 ト長調 <大いなる喜びへの賛歌>

※2012年1月25日 サントリーホール



今回から番組名を「読響シンフォニックライブ」と改め、日本を代表するオーケストラ・読売日本交響楽団の演奏を通じ、
もっともっとクラシック音楽の魅力を深く、楽しくお届けしてまいります!

今回はドイツで活躍する日本人指揮者・上岡敏之さんを迎え、マーラーの交響曲第4番をお聴きいただきました。

上岡敏之
1960年東京生まれ。東京芸術大学で学んだ後、ハンブルク音楽大学へ留学。卒業後はドイツの歌劇場やオーケストラを中心に活躍している。現在はザールブリュッケン市にあるザールラント州立歌劇場の音楽総監督を務める。読響へは1998年の初共演以来度々客演し、歌心溢れる演奏でファンを魅了している。

上岡さんが今回指揮をするのは、マーラーの交響曲第4番。マーラーのシンフォニーと言えば、演奏が長く編成も非常に大きなイメージがありますが、この曲は他とは少し違った魅力があるようです。

マーラー・交響曲第4番の魅力とは?

首席オーボエ
蠣崎耕三

すごく鳴らしやすい音域とかすごく魅力的なメロディを吹かせてくれるので、演奏していて楽しいです。
マーラーの魅力は「狂気と隣り合わせの危ない美しさ」があるのですが、4番は「健全」というかちょっと「健康的」ですね。



ソロ・コンサートマスター
藤原浜雄

※第2楽章でコンサートマスターは、通常とは異なる調弦のヴァイオリンを用いソロを演奏する。
全音高い調弦をして演奏します。下手なヴァイオリンを表すのでしょうか。弦楽器というのは開放弦がたくさん使えるとパーっと音が響きます。ですからわざとこの調弦にすることで、開放弦特有の広がりある響きを演出します。



打楽器
野本洋介

マーラーはたしかに打楽器が多いイメージがありますが、どの曲も結構お休みの部分も多かったりします。今回も打楽器を使うところは使って休むところは休んで、という所がマーラーらしいと思います。曲の冒頭に鈴を使うことで「小さい子供」をイメージしています。鈴はリズムが出しづらい楽器なので、普段はいかに歯切れよく演奏しようかと考えているのですが、今回は「拍を出さないで」とマエストロから言われたので、いつもは叩いて弾いているのですが、今回は揺らすような感じで弾いています。


指揮者 上岡敏之 インタビュー
Q.指揮者・上岡敏之にとって「マーラー交響曲第4番」とは?
僕にとってはすごく難しい作曲家ですね。すごくエキセントリックな部分もあり、まったく逆のとても繊細な部分もあり、それがすごく極端ですよね。ベートーヴェンの第9番は「力ずくでも幸せを勝ちとる」というもので、マーラーの場合は「最初から天国に向けての音楽」です。最初の方に弦楽器の「グリッサンド」という、音が飛んでいるところをうまく繋げて上に行くという奏法があります。
それは天国に向けて段々と上がっていく様子を表し、最後には歌が入り、「天国はすごく楽しいところだ」と歌います。裏の裏を読めば「人生は楽しいもんだ」という内容です。すごくエキセントリックに書いていたわりに本人の中で逆の要素があって、それが4番のバランスに顕著に出ていると思います。


ヴィオラ
松井直之
読響コンサートへの誘い!!

5月 9日(水) 19:00 東京オペラシティコンサートホール
5月10日(木) 19:00 サントリーホール


ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
≪下野竜也・ドヴォルザーク交響曲シリーズVIII≫
ドヴォルザーク:交響曲 第2番 変ロ長調 作品4


指揮 下野竜也
ヴァイオリン クリストフ・バラーティ

就任当時から下野さんはドヴォルザークとヒンデミットを取り上げていていますが、そのドヴォルザークシリーズが完結し、この交響曲第2番で終わりになります。なかなか演奏されない曲ですので是非足を運んで頂ければと思います。作品4と書いてあるのですごく若い頃の作品です。
ただ調べたら出版は1959年になっていて、しばらく見つからなかった曲の一つです。
Q.松井さんから見た「読売日響」は?
すごくいいオーケストラだと思います。僕は読響しかほとんど知らないですが、弾いていて楽しいです。
Q.テレビの前の皆さんにメッセージを!
普段目立たないヴィオラですが、読響のヴィオラセクションは楽しく弾いていますのでそこに注目して頂ければと思います。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

上岡敏之(指揮者)  Toshiyuki Kamioka(conductor)
1960年東京生まれ。東京芸術大学で指揮、作曲、ピアノ、ヴァイオリンを学び、在学中に安宅賞を受賞。ロータリー国際奨学生としてハンブルク音楽大学に留学し、クラウスペーター・ザイベル氏に指揮を師事。キール市立劇場のソロ・コレペティトールおよびカペルマイスターとして歌劇場でのキャリアをスタートさせ、その後エッセン市立アールト劇場の第1カペルマイスター、ヘッセン州立歌劇場の音楽総監督を歴任。2004/05年のシーズンより、ヴッパータール市の音楽総監督としてオペラ、コンサートの両面において、大きな成功を収めた。また、09/10年のシーズンからは、ヴッパータール響の首席指揮者を継続しつつ、ザールブリュッケン市にあるザールラント州立歌劇場の音楽総監督に転進し、更なる活躍が期待されている。 コンサートの分野では、北西ドイツ・フィルの首席指揮者を務めたほか、バンベルク響、ケルン放送響、中部ドイツ放送響、バイエルン放送響、シュトゥットガルト放送響、オランダ響、N響、新日本フィル、東京フィルなど、国内外のオーケストラに客演。特に読響とは、98年の日本デビュー以降、幾度となく共演し、お互いに強い信頼関係で結ばれている。また、国内のオペラでは、新国立劇場でヴェルディ<椿姫>、日生劇場(管弦楽は読響)でモーツァルト<魔笛>を指揮し、いずれも絶賛を博した。後進の育成にも力を注いでおり、ドイツ音楽協議会の指揮者フォーラムを主宰、ハンブルク音楽大学では室内楽と伴奏の講師、00/01年にはフランクフルト音楽大学のオペラクラスの代理教授を務め、04/05年の冬学期からはザールブリュッケン音楽大学の指揮科正教授の要職にある。07年6月、第15回渡邊暁雄音楽基金音楽賞・特別賞を受賞。
キルステン・ブランク(ソプラノ)  Kirsten Blanck(Soprano)
ドイツ人ソプラノ歌手。ハンブルク音楽院でジュディス・ベックマンに師事し、ベルリン・ドイツ連邦歌唱コンクールをはじめ、数々のコンクールに入賞。リューベック歌劇場、ザールブリュッケン州立歌劇場、キール歌劇場と専属契約を結んだ。 その後、<魔笛>夜の女王役でベルリン・ドイツ・オペラ、ベルリン国立歌劇場、ハンブルク国立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オーパー)、フランクフルト歌劇場、エッセン市立アールト歌劇場、シュトゥットガルト国立歌劇場、ライプツィヒ歌劇場、ライン・ドイツ・オペラ(デュッセルドルフ)などに出演し、コロラトゥーラ・ソプラノとして大きな成功をおさめた。 その後は99年のバイロイト音楽祭ならびにバイエルン国立歌劇場の<パルジファル>、トリエステ・ヴェルディ歌劇場、サンフランシスコ歌劇場の<ばらの騎士>、2000年にはミラノ・スカラ座の<ナクソス島のアリアドネ>に出演し、好評を博した。また、ザルツブルク音楽祭で<ダナエの愛>、ドレスデン国立歌劇場とウィーン国立歌劇場の共同制作による<無口な女>に出演したほか、ウィーン国立歌劇場に<ばらの騎士>ゾフィー役で出演するなど、輝かしい経歴を誇る。 01年/02年シーズン以降、それまでのコロラトゥーラからドラマティック・ソプラノへ転向、<ラインの黄金><ワルキューレ><フィデリオ>などでケルン歌劇場、ドルトムント歌劇場などに出演し、話題を集めている。また近年では09年にイングリッシュ・ナショナル・オペラの<トゥーランドット>タイトルロールで大成功をおさめたほか、バーミンガム市響(指揮:ワシリー・シナイスキー)と<四つの最後の歌>を共演するなど、幅広い活躍を続けている。