5月16日(水)深夜2:29〜3:29

指 揮 下野竜也
ピアノ 清水和音
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

シューマン作曲:
ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 から 第1楽章

ドヴォルザーク作曲:
交響曲第8番 ト長調 作品88 から
第3楽章、第4楽章

ドヴォルザーク作曲:
スラヴ舞曲 作品72 第7番 ハ長調

高野辰之作詞 岡野貞一作曲 
野本洋介編曲(読響打楽器奏者):

ふるさと

※2012年3月22日 いわき芸術文化交流館アリオス



今回は、福島県いわき市で行われた<復興支援特別公演 「きぼうの音楽会」inいわき>
の模様からお送りしました。

きぼうの音楽会inいわき
東日本大震災によって大きな被害を受けた福島県いわき市で、読響の復興支援特別公演「きぼうの音楽会inいわき」が開催。読響・名誉顧問の高円宮妃久子さまがご臨席のもと、会場には被災された方々を中心に市民の皆さんが無料招待されました。

読響のメンバー、トロンボーンの篠崎卓美さんは、福島県いわき市のご出身。
今回の“故郷での復興支援特別公演への想い”を伺いました。

篠崎卓美(バストロンボーン)
2006年読響に入団。演奏活動の傍ら、高校吹奏楽部の指導をするなど、以前から故郷・いわき市での音楽活動を行っています。震災直前に同郷のバストロンボーン奏者・黒金寛行さん(NHK交響楽団)とバストロ・デュオの演奏会を行っていた篠崎さんは、震災後すぐに黒金さんと共にバストロ・ディオのチャリティーコンサートを開催。CDも発売するなど、被災地支援の活動を積極的に行っています。


篠崎卓美さんインタビュー
Q.1年前の震災直後はどんなお気持ちでしたか?
ちょうど読響のリハーサルが終わった時で、これは東京だけの地震の話ではないというのはすぐにわかりました。両親以外、友人や教え子達にはすぐに連絡が取れて安否確認は出来ましたが、その後、急に連絡が取れなくなり、すごく不安な日々を過ごしました。 最初はやはり中々大変でした。生徒たちは皆、不安で寝られません。でも東京へはメールが普通に届いていたので、僕が中心となって人と人との会話をほぼ24時間体制でやり取りをしていました。もう何をして良いのかがわからず、何が出来るかを考える余裕もない状態だったので、やってから後悔した方が良いと思いました。僕がやらなかったことで誰かが困るのであればそれは耐えられませんでした。
Q.チャリティーCD「UNDER THE BLUE SKY」について
やはり一人で出来ることなんて小さいなと思いました。(N響バストロンボーンの黒金さんと共に)4月から4ヶ月連続で、4、5、6、7月とチャリティーコンサートを続けたのですが、どうしても限界がありました。ですから震災のことをずっと忘れないことが一番だと思い、考えた結果、「チャリティーCDを出そう」という事になりました。アルバムの表紙は青空の下で撮っているのですが、ずっと空のように繋がっている感じを出したいというイメージが皆の中にあり、そのイメージで曲が出来たり、このような写真になったりしました。
Q.今回の「復興支援特別公演」について
来てくださるお客様には、とにかく良い時間を過ごして頂ければと思います。皆さんのおかげで僕達も良いコンサートが出来ますし、僕達が演奏することで少しでも「今日はよかった」と思って頂ければ、それで十分です。

今回の放送では、「きぼうの音楽会inいわき」から、
清水和音さんの独奏で、シューマン作曲ピアノ協奏曲から第1楽章、
下野竜也さんの指揮で、ドヴォルザーク作曲交響曲第8番から第3楽章、第4楽章をお送りしました。

アンコールは、ドヴォルザーク作曲スラヴ舞曲op72-7、そして会場のお客様と一緒にふるさとを演奏。
会場全体がひとつになり、故郷への想いがこもった歌声が会場中に響き渡りました。
下野竜也(指揮者)  Tatsuya Shimono(conductor)
幅広く充実した活動が常に大きな話題を呼ぶ、読響の初代「正指揮者」(2006年就任)。昨年3月の巨大地震に際しては、読響とともにわずか1週間後に演奏活動を再開し、自ら先頭に立って募金を呼びかけるなど、音楽家としての立場で復興支援に全力を注いできた。 1969年鹿児島生まれ。鹿児島大学教育学部音楽科、桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室、イタリア・シエナのキジアーナ音楽院、ウィーン国立演劇音楽大学で学んだ。97年から99年までは大阪フィルの指揮研究員として、朝比奈隆氏をはじめとする数多くの巨匠の下で研鑽を積んだ。00年第12回東京国際音楽コンクール<指揮>優勝および齋藤秀雄賞受賞。01年第47回ブザンソン国際青年指揮者コンクール優勝。 海外ではチェコ・フィルやシュトゥットガルト放送響など、各国のオーケストラに次々と客演を重ねている。10年には小澤征爾氏に託され、サイトウ・キネン・オーケストラのニューヨーク公演に登場し、カーネギーホール・デビューを飾った。 上野学園大学では教授として、後進の育成にもあたっている。また、11年1月から広島ウィンドオーケストラの音楽監督も務めている(指揮:ペトル・ヴロンスキー)。
清水和音(ピアノ)  Kazune Shimizu(Piano)
完璧なまでの高い技巧と美しい弱音、豊かな音楽性を兼ね備えたピアニスト。1960年、東京生まれ。78年、17歳で第47回日本音楽コンクール第3位入賞、80年にはジュネーブ音楽院に留学し、ルイ・ヒルトブラン氏に師事した。81年、弱冠20歳で、パリのロン=ティボー国際コンクール・ピアノ部門で優勝。83年「プラハの春音楽祭」にて、プラハ室内管と共演、84年、ブラティスラヴァ音楽祭のオープニングでスロヴァキア・フィルと共演。86年、ロジェストヴェンスキー(読響名誉指揮者)指揮ロンドン響と共演しロンドン・デビューを飾り、同時にマイケル・ティルソン・トーマスとの共演でレコーディングを行った。その後、国内外で広く活躍している。95年秋から2年にわたって紀尾井ホールで行われた、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲演奏会は、その完成度を新聞紙上で高く評価され、ライヴ録音がリリースされている。2004年からショパンの全曲録音を開始、これまでにオクタヴィア・レコードから多数のCDをリリースしており、いずれも高い評価を受けている。11年8月には、デビュー30周年を記念して、清水が愛してやまないラフマニノフのピアノ協奏曲第1番〜第4番と<パガニーニの主題による狂詩曲>の全5曲を一度に演奏するという快挙を成し遂げ、第一級のピアニストであることを証明した。読響とも度々共演し、近年では11年5月にモーツァルトのピアノ協奏曲第24番でその妙技を披露した。

読響NEWS〜最近の読響の話題から3つのニュースをお伝えしました

<第9代常任指揮者シルヴァン・カンブルラン氏 契約延長!>
読売日本交響楽団は、第9代常任指揮者シルヴァン・カンブルラン氏との契約を2016年3月末まで延長したことを発表。2010年4月に常任指揮者に就任したカンブルラン氏は、意欲的なプログラム構成と充実した演奏で高い評価を得、読響創立50周年となる今年2012年も、広島・長崎での特別公演を行うなど、その活動が大きな注目を集めている。また、2006年11月から読響の初代正指揮者を務める下野竜也氏が、2013年3月でその任期が満了となり、2013年4月からは首席客演指揮者に就任することもあわせて発表された。

第9代常任指揮者
シルヴァン・カンブルラン

もちろん3年の任期延長はとても嬉しいことです。古典作品を含む多くのレパートリーを取り上げていきますが、(今後は)現代音楽をもっと頻繁に演奏したいと思っています。もちろんオーケストラのためにもお客様のためにも、様々なレパートリーをミックスしていくべきだと思います。その中で、オーケストラと私との信頼関係がますます強くなっていくことを願っています。

<第62回 伊勢神宮式年遷宮奉祝演奏会 開催>

4月5日、東京・赤坂のサントリーホールで「第62回伊勢神宮式年遷宮奉祝演奏会」が開催され、読響が出演。ご静養中の天皇皇后両陛下もご来場され、この日のために作曲された猿谷紀郎(さるやとしろう)さんの交響詩「浄闇(じょうあん)の祈り」の世界初演を鑑賞された。1300年の歴史を持つ、伊勢神宮の式年遷宮。その神事をイメージして作られた猿谷さんの新曲に、会場からは大きな拍手が贈られた。

<日生劇場会場50周年記念特別公演 オペラ「メデア」「リア」>
4月10日、都内のホテルで日生劇場50周年記念特別公演オペラ「メデア」、「リア」の制作発表記者会見が行われた。この2つのオペラは、今ヨーロッパで最も旬な作曲家の1人、アリベルト・ライマンの作品で、共に日本初演となる。指揮を務めるのは読響・正指揮者の下野竜也氏。

正指揮者
下野竜也

音楽の面から言いますと、一回聴いたくらいでは、「なんだこれは」と思う場面が多いかもしれません。誰もが聞いてわかるような旋律が多いわけではないですが、その難しさを、難しさではなく作品の素晴らしさに転化するための努力をしていかなければならないと考えています。歌手の皆さんも大変素晴らしい方が揃っていますし、パワーのある方々なので、すごく期待しています。

アリベルト・ライマン作曲
オペラ《メデア》(日本初演/演出・飯塚励生) 2012年11月9日〜11日
オペラ《リア》(日本初演/演出・栗山民也)   2013年11月8日〜10日
管弦楽 読売日本交響楽団  指揮 下野竜也  会場:日生劇場


読響コンサートへの誘い!!〜 from 北村貴子(読響オーボエ奏者)


オーボエ
北村貴子
6月7日(木) PM7:00 東京オペラシティ コンサートホール

ブラームス
  大学祝典序曲 作品80
  ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
  交響曲第4番 ホ短調 作品98

指揮:大友直人
ヴァイオリン:郷古廉
チェロ:横坂源

ブラームスの交響曲第4番は、曲全体に流れる哀愁や悲しさ、寂しさといったものが、曲の頭からため息のように流れ、いきなりそこから泣きが入るような感じが、私はとても大好きです。音の厚みとかそういったものがブラームスの演奏にとってすごく大事だと思うのですが、やはり低音の鳴りや弦楽器の音の幅が、読響の聞かせどころだと思うので、楽しみにしていただけたらと思います。また第4楽章には、大きなフルートの素敵なソロがあるのですが、それもすごく楽しみにしています。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。