演奏レビュー

日時

1月18日(木)2:34~3:34(水曜深夜)
BS日テレ1月27日(土)朝7:00~8:00

1月放送プログラム<2017年12月12日 サントリーホールにて収録>

マーラー作曲 「交響曲第3番」 から

指揮
コルネリウス・マイスター
メゾ・ソプラノ
藤村 実穂子

【1月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【マーラー作曲 「交響曲第3番」】
清新で爽快なマーラーでした。ひと昔前までマーラーの音楽といえば19世紀末の退廃美、20世紀の戦争へ向かう不穏な空気を予感させる病める「現代の」音楽でしたが、80年生まれのマイスターにとっては、ベートーヴェンやブラームスと同様にマーラーも「クラシック」音楽なのでしょう。
「きれいなマーラー」と言えるでしょうか、第1楽章の弦合奏のピアニッシモの作り方などは非常に美しく、メロディも充分ロマンティックに歌わせて、なんとなくイギリス音楽のような手ざわりのマーラーだなと感じました。
その中で藤村実穂子さんの存在感はすばらしかったですね。彼女の声が音楽全体の「格」を上げていたと思います。マイスターがこれから読響でどのような演奏を聴かせてくれるか、楽しみです。

演奏者の略歴

藤村 実穂子(メゾ・ソプラノ)
藤村 実穂子(メゾ・ソプラノ)
Mihoko Fujimura
東京芸術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院修了後、ミュンヘン音楽大学大学院修了。
2002年、主役級としては日本人で初めてバイロイト音楽祭にデビュー、以来9年連続出演。ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、ロイヤルオペラハウス・ロンドン、ミュンヘン国立歌劇場、ウィーン・フィル、ロンドン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウなどに出演。ティーレマン、アバド、メータ、エッシェンバッハなどの各氏とも共演。出光音楽賞、芸術選奨新人賞、エクソンモービル音楽賞、サントリー音楽賞、紫綬褒章の各賞を受賞。
コルネリウス・マイスター(指揮)
コルネリウス・マイスター(指揮)
Cornelius Meister
1980年ドイツ・ハノーファー生まれ。ハノーファー音楽大学でピアノと指揮を学び、21歳でハンブルク歌劇場にデビューを果たした。2005年に24歳の若さでハイデルベルク市立劇場の音楽総監督に就任し、12年までその職にあった。
10年からウィーン放送響の首席指揮者兼芸術監督を務めている。ウィーンのムジークフェライン(楽友協会)やコンツェルトハウスなどでのコンサートをはじめ、日本を含む世界各地へのツアーやレコーディングなど、その積極的な活動は高く評価されている。
読響とは14年に初共演し、R.シュトラウス〈アルプス交響曲〉でスケールの大きな演奏を聴かせた。これまでにロイヤル・コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響、 パリ管などに客演しているほか、オペラではウィーン国立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、英国ロイヤル・オペラなどに登場。日本では06年に新国立劇場で〈フィデリオ〉を指揮している。18年からカンブルランの後任として、シュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督に就任する。
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