演奏レビュー

日時

7月19日(木)2時34分~3時34分(水曜深夜)予定
BS日テレ 7月28日(土)朝7:00~8:00予定

7月放送予告

7月19日(木)2時34分~3時34分(水曜深夜)予定
BS日テレ 7月28日(土)朝7:00~8:00予定

7月放送プログラム

R.シュトラウス作曲 アルプス交響曲 から

指揮者
沼尻竜典

(2018年5月10日 新宿文化センター 大ホールにて収録)


【7月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【R.シュトラウス作曲 アルプス交響曲】
指揮者の沼尻竜典さんの指揮で聴く「アルプス交響曲」は、ところどころ「ばらの騎士」等のオペラを聴いているような官能的に音楽がたゆたう瞬間があり、リューベック歌劇場で積んだキャリアの厚みを感じます。これまで「アルプス」は山登りを描写した曲とばかり思っていましたが(すみません!)、改めてこの曲の繊細で可憐な魅力に気付かされました。頂上に登って行く盛り上がりと高揚感をたたみかけていく前半はもちろん面白かったですが、陽射しが次第にかげり、悲哀と感慨の中で下山していく後半の音楽が特に素晴らしかったです。 沼尻さんは下山の場面で、人生の後半にさしかかった者だけが知る内省を見事に描いていました。45歳以下は曲の前半を、46歳以上は曲の後半をより一層お楽しみいただけるかと思います。

演奏者の略歴

沼尻竜典(指揮)
沼尻竜典(指揮)
Ryusuke Numajiri
びわ湖ホール芸術監督、トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア音楽監督、リューベック歌劇場首席客演指揮者。
1990年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。ロンドン響、モントリオール響、ベルリン・ドイツ響、デュッセルドルフ響、フランス放送フィル、トゥールーズ・キャピトル管、パリ室内管、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響、シドニー響等欧米各国のオーケストラを指揮。国内ではN響を指揮してデビュー以来、これまで、新星日響正指揮者、東フィル正指揮者、名古屋フィル常任指揮者、日本フィル正指揮者、群馬響首席指揮者兼芸術アドバイザー、日本センチュリー響首席客演指揮者を歴任。
95年、自ら結成したトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ(現トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア)と共に、三鷹市芸術文化センターを拠点に活動を開始。「ベートーヴェン交響曲全集」の収録も高く評価された。オペラ指揮者としては97年≪後宮からの誘拐≫でデビュー、近年ではケルン歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、バーゼル歌劇場、シドニー歌劇場等へも客演。また、びわ湖ホール、リューベック歌劇場でも数々のプロダクションを成功に導いている。2011年夏にはサイトウ・キネン・オーケストラへデビュー、バルトーク≪中国の不思議な役人≫で成功を収めた。
14年1月にはオペラ≪竹取物語≫を作曲・世界初演、今後も国内外で再演が予定されている。
91年第1回「出光音楽賞」、99年第7回渡邉暁雄音楽基金音楽賞、01年第51回芸術選奨文部科学大臣新人賞、04年第3回斎藤秀雄メモリアル基金賞、05年第46回毎日芸術賞、第23回中島健蔵音楽賞、2011年文化庁芸術祭優秀賞、第61回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞、2017年紫綬褒章受章。
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