スペシャル

フェルナンド・ボテロについて
2022.02.25
フェルナンド・ボテロ

南米コロンビアのメデジンで生まれたフェルナンド・ボテロ(1932〜)。
幼いころからボテロは、自らの運命は芸術家となることであると、疑う余地のないほど明確に認識していたといいますが、20歳でヨーロッパに渡ると、スペインやイタリアなどで古典作品から多くを吸収します。
彼の作風を特徴づけるのは、その「ふくよかさ」。この表現方法を思いついたのは1956年、アトリエでマンドリンを描いていたときのことでした。ボテロは、「ボリュームを表現することで、芸術的な美を表現することを目指している」と言います。

ボテロに注目が集まったのは1963年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が展覧されたとき、モダンアートの殿堂、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のエントランス・ホールにボテロの《12歳のモナ・リザ》(本展には出展されません)が展示されたことに始まります。その後、欧米で高く評価され、今日では現代を代表する美術家のひとりに数えられています。
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本展は油彩、水彩、素描など全70点の絵画作品で構成されますが、1970年代から本格的に制作を開始したボリュームのある彫刻も有名です。本展覧会の開催期間中、Bunkamura地下1階のテラスに彫刻《小さな鳥》を特別展示します。あらゆる対象をふくよかに表現するボテロの作品には、不思議な感覚が漂い、観る者を惹きつける魅力にあふれています。