その頃、杉和紙づくりは遠藤さんが26番を唄い終えたと同時に皮むき作業も終え、続いて「紙素打ち作業」…むいた皮を平たい石や木に乗せ、叩いて繊維をほぐす。これにより、板状だった皮がフワフワな繊維の固まりとなった。今度は和紙づくりに欠かせない「ネリづくり」…皮の繊維をただ水に入れても底に溜まるだけだが、ネリと呼ばれる粘液を入れることで繊維が均等に撹拌(かくはん)され、手で漉くことができる。その材料を手に入れるべく再び里山へ向かい、見つけたのは「ヤマアジサイ」。粘り気がでるのは皮の部分、これを削りとって10分ほど煮込むと、糸を引くほどの粘り気が出てきた! この煮汁をこして出てきた粘液をネリとする。 |