そして、3月18日。
獣医の三瓶忠良さんに、マサヨの母体を見てもらう。
三瓶さん「順調ですよ。でもまだ一週間以上は後かな?」
予定は4月上旬という診断だった。

しかし、満月の夜だったこの夜。
遅くまで落ち着かない様子のマサヨは、一晩中眠ることはなかった。


そして、翌朝―――

清「産まれましたー!」
マサヨの足元には、2頭の仔ヤギ。


〜中略〜
「いつも笑顔で若々しい明雄さんは、一昨年の7月、
 45年連れ添った奥様を亡くされました。
 でも私達の前では辛い顔を見せないように懸命だった姿に、
 男として、人間としての強さと愛情を感じました。
 本当に頭が下がります。
 そんな人間に私もなっていきたいと考え、旅立ちます。」
(DASH村ホームページ 「村を離れるにあたって」より)


明雄さん「長い間、お疲れ様」

清「お世話になりました。いつまでもお体を大切に、気をつけてください」
明雄さん「清君こそ、無理しないようになあ」
清「ありがとうございました


清隼一郎、26歳。新しい旅立ちが今、始まった。