お昼前の住宅街、その男は午前中の仕事を終えようとしていた。
車の下から台車に乗って現れたのは山口達也、車の出張サービスを仕事とするこの男、台車に仰向けになったままトラックの荷台をドンッと叩いた。
すると、荷台に乗っていたジュースが倒れ、転がって達也の手に落ちてきた。
山口「ふぅ〜」
と、一息つく達也。
ふと目に留まったのは、この車のお宅の2階からのぞく小さな顔だった。

その少女の名は小雪。幼くして病気がちの彼女は外に出ることもままならず、
いつもこの窓から外を眺めていた。 そんな彼女の唯一の友達は、
誕生日に買ってもらった犬のぬいぐるみ。
アラーム機能で動くその愛らしい姿で、寂しい少女の心を癒してくれるのだった。
だが、そんな2人の間に悲劇は突然訪れた。 「ブッブー!!」

静かな住宅街にけたたましく鳴り響くクラクションの音。
驚いた少女は、手に抱いていた大好きなぬいぐるみを下に落としてしまった!
一瞬にして顔色を失う少女。 だが不幸中の幸いにして、下にはなぜかフトンが置いてあった。 なんとか壊れることはなかった犬のぬいぐるみ。
だが、本当の悲劇はこの後に待っていた・・・。