DASH村では男たちにとっての憩いの場づくりが進んでいた。
男達が作っているのは新たな風呂。
元々この石垣の上にあったのは5年前につくった露天風呂。
だが風雨にさらされ続け老朽化したその浴槽は、水漏れひどく使用には耐えられなくなっていた。

今度は耐久性ある風呂にしたい!
男たちには目指す理想の風呂があった。
それは実用性も高い丈夫な「鉄砲風呂」。
江戸から昭和までの400年間全国で普及し、今でもこだわりの人は使っている伝統的家庭風呂。その構造は元来、筒の中で炭を焚き熱したしゃぶしゃぶ鍋と同じ原理。
浴槽となる水圧に強い木桶は、少ない水量で入浴スペースを確保するための卵型。
その狭いほうに鉄の筒状ボイラーが取り付けてあり、外に突き出た焚き口から薪をくべて湯を沸かすというもの。

釜自体の熱が直接伝わるため熱伝導が良く、40分ほどで湧き上がる薪風呂の傑作。
そんな風呂を作るなら桶となる材木にもこだわりたいところ。
間伐のためちょうど伐採予定だったヒノキを明雄さんの友人、渡邉さんに教えてもらい、自然乾燥を2ヶ月経て、ようやく風呂づくりの長き道のりが幕を開ける。