 |
今年もつぼみをつけた里桜から、接ぎ木のために少しだけつぼみ付きの枝を切り取り、小さな桜の苗の切り株に挿す。
すると、ささった枝は養分を求めて切り株の苗と結合し、新たな桜の樹として生長しはじめるのだ。
こうして作った新た桜の木々。これらが育って村に桜の並木が咲き誇る日を待ちわびて・・・。 |
 |
一方、この春ヤギ小屋では大事件が起こっていた。
その異変に気付きヤギ小屋へ駆けつけた村人安部と明雄さんが見つけたのは、マサヨの隣に動く小さな3匹。
なんとマサヨが一度に3匹、三つ子の子ヤギを出産したのだ!
子ヤギたちはそれぞれ体格差はあるものの、1匹1匹徐々に立ち上がり、けなげにお乳を求めてマサヨに近づいていた。 |
 |
しかし、1匹だけが小屋のすみっこで目を閉じて小さく震えていた。その様子を見守るしかない安部は、少しでも暖かくと新しいワラを作って子ヤギたちを暖める。それでも動かない子ヤギ・・・。だがしばらくすると、マサヨが子ヤギに歩み寄り、それに反応した子ヤギもようやく力を振り絞って立ち上がることができたのだった。そして後日、達也と城島によってつけられたその名は。それぞれ女の子が2匹と男の子が1匹。春にちなんでつけられたその名は「さくら子」「もも子」「うめ吉」。今年も精一杯の力で花を開かせた里桜に祝福され、村の新たな住人が加わることとなった。 |
|
|