木に定着すると、呼吸や排泄機能の水管を水中に出し、回転しながら穴を掘る。その際、周りに石灰質の分泌物を出して固め、内側に壁を作り木の組織を壊す。
その対策として、木造船の時代の漁師達は、船を陸に揚げ、船底を熱と煙でいぶす船タデを定期的に行っていた。
穴の断面を見てみると…
達也「トンネルみたい」
このフナクイムシの技をヒントに生まれたのがシールド工法。
トンネルを作る際、掘った部分を固めながら進む、優れた方法。
とはいえ放ってはおけない。

フナクイムシの成体は魚類が、木に棲みつく前の幼生(動物プランクトン)は底生生物が捕食するという。
この時季にもフナクイムシを捕食する生物がDASH海岸にいるのか?
達也と木村さんが干潟近くからシュノ―ケリングで調べてみることに。
達也「いませんね…」
と、柵の近くで、ユビナガホンヤドカリの姿を発見。
さらに、海底の砂地をよく見ると、干潟周辺のあちこちから、水管を出して穴から砂を吹きだしているアサリなどの二枚貝も。
しかし、魚の姿が見当たらない。

次に、去年11月、スラグブロックを沈め、砂を入れたアマモ畑を見てみる。
達也「だいぶ落ち着きましたね」
木村さん「工事は完璧ですよ」

潜水士・達也の初仕事の成果でもあった。
するとブロックの隙間や陰に棲みついたマハゼを発見。
木村さん「水温だけじゃなくて、石があるから隠れ場になっていいんでしょうね」