江戸の頃より伝わるだしの上品な甘みと旨みを堪能し、体も温まったが…。
達也「この時季、潜るのは大変ですね。早く海中ハウス作って中から見た方が楽だわ」
豊かになっていく、水の中の生態系と季節の変化。
それを間近に見るための水中観測所は、洗面器を水に沈めた時の原理を利用したい。
強い力で、真下に沈め、周りからかかる圧力と浮き上がろうとする力、そのバランスがとれた時、水中でも呼吸できるであろう場所が確保される。
それを大がかりにしたものが、即ち観測所。

そこで、向かったのは、横須賀市にある海洋研究開発機構、通称ジャムステック。
かの有人潜水調査船「しんかい2000」や「しんかい6500」などを用いて、日本周辺の深海調査を行ってきた専門機関。
そして、3人が海洋工学センターの井田さんにまず案内されたのが、海洋居住実験に使用されたハビタット。
内部は高さ2mで、12畳ほど。ここで4人の乗員が、居住実験していた。
寝場所は2段ベッド。トイレも当時のままで、食事はレンジで温めて食べていたという。

海の中にユートピアを、というスローガンを掲げたシートピア計画は、来る海洋開発に向けて、世界が注目している中行われた。
西伊豆沖、水深30mから60mの所に、このハビタットを沈め、アクアノートと呼ばれる技術者たちが作業しながら生活を送った。
彼らが吸う上から送られる空気は、窒素酔いを防ぐ為に酸素とヘリウムの混合エアーだったため、甲高い声になったという。