前回、倒木を動かし、山を越えた道子は下北半島のむつ市、薬研(やげん)渓流へ。
気温は2℃で雪が積もっている。
雪道で馬車のタイヤが滑るが、道子の足は大丈夫なのか?
定男さん「(道子)スパイク履いたもん」
夏用と違い、冬用の蹄鉄には、滑りにくいように接地面に凹凸が付いている。
道子の毛も、伸びて冬毛になっていた。

それだけでなく、もっと雪が積もってきたら、馬車では進めないため、ソリが必要になってくる。
昭和40年代、積雪の多い雪国で、馬ソリは多く見られた光景。
と、前方の道が二手に別れていて、先には大きい橋と小さい橋がある。
そして、小さい橋の先には、道子が好きな笹がたくさんある。
橋の幅が狭いので、馬車を取って、歩いて渡る。
すると、橋の下には川が流れており、太一は5年前、ここの薬研温泉“かっぱの湯"に入った。

橋を渡ったところで好物のクマイザサを食べる道子。
その笹は冬でも枯れず、山に放牧されている道産子は、ほとんど笹ばかり食べて生きている。
そして、歩いていると、雪に埋もれた線路が見えてくる。
長瀬「木の(伸びた)感じを見るともう列車通ってなさそう」
さらに、線路を辿って歩いていると、前方に、洞窟のようなものが見える。
明治から昭和にかけて木材を運搬する森林鉄道が通っていて、ここ大畑森林鉄道では、明治から大正にかけ馬がトロッコを引く“馬トロ"が活躍した。
この洞窟は、隧道(ずいどう)と呼ばれ、昭和初期に、ツルハシやハンマーを使って、人の手で掘られたトンネル。