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昨年4月から取り組んでいる、3度目の海苔づくり。
種から育てる100%DASH海岸産の海苔は、果胞子から糸状体、糸状体から殻胞子、そして普段食べられている葉状体へと生長。
しかし、順調かと思われた矢先、異変が発生した。
2012年2月、冬の寒さで大きく生長し、20cmほどの長さとなったスサビノリだが…
城島「枯れ葉みたいな色になってる」
葉状体の一部が、赤さび色に変色していた。
翌日、ノリ漁師の金萬さんに見ていただくと…
金萬さん「アカグサレですね」 |
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藻類に寄生するアカグサレ菌により、葉状体が赤く変色してしまうことから、その名前が付いた「アカグサレ病」。
海を漂い、葉状体につくと菌糸をのばし、すぐ新しい種を産む。
1つのノリ網に発生すると、次々に横のノリ網に移ってしまい、海苔養殖の産地でも、号外が出されるほど恐ろしい菌。
アカグサレ菌は、大雨後などの低塩分と12℃以上の高水温を条件として蔓延することが知られている。
DASH海岸では、3日間雨が降り続き、海水は真水が多く混じった低塩分となり、さらに、雨上がりに水温が上昇し、水温が12℃と、まさにアカグサレ菌が好む環境となっていた。
木村さん「条件次第では、一晩二晩で(葉状体が)無くなってしまう事も…」 |
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アカグサレ菌の対抗策として、海苔養殖場では早期発見、干出による即乾燥が基本で、拡大前に対処する。
しかし、DASH海岸の様に酷く蔓延してしまった場合は、15%の高濃度の塩水に10分間さらすことでアカグサレ菌を死滅させることができる。
しかし、これはノリにとっても過酷な処置。
通常、ノリは生命力が強くある程度の高塩分にも耐えることができるが、ノリ自体が弱っていたり、10分を超えるとノリ自身も死んでしまう。
つまり、失敗すると逆に大切に育てて来たノリを全滅させかねない。
金萬さん「ノリの葉体の色を見ながら判断する」
高濃度の塩水にノリを浸し、プロの勘を信じ、ストップウォッチを睨んでじっと待つ事10分。急いで引き上げ海に戻す。
まとわり付いた高塩分を落として、結果が分かる翌日を待つ。 |
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