2006年 11月 氷室池づくり
 日当たりと風通しを考え選んだ場所は蓮根を栽培していた池。ここを氷池として使用。
三ツ星氷室さんの「氷池に必要な水深と水の流れを」というアドバイスのもと、水がゆっくり流せるように池近くまで竹パイプを取り付けた。
そして、氷が沈下しないよう竹のといを組み、井戸の水をポンプで汲み上げ、いつでも水を循環できるようにした。

12月上旬 ゴミ掃除
 12月に入ると気温も下がりはじめ、目標の15cmには及ばずも数センチ凍りはじめた。綺麗な透明の氷を保つためには表面のチリやほこりをとることが重要。それも早朝、日が出る前に行わないと表面が溶け出し、氷の中にゴミが入ってしまう。氷がはっている間は毎日朝早起きし、表面の汚れを布でふき取った。

12月上旬 氷室づくり
 氷を保存するための氷室づくり。風通しが良く、日があまり当たらない場所がいいということで、氷池の南側に建てることになった。氷が入れやすいよう正面の板は取り外しできるようにした。

12月中旬 落ち葉とり
 氷室も完成し、あとは氷点下が1週間も続けば「切り出し」ができるというところで、気温は下がるどころか上がってしまい、氷がすべて融けてしまった。
木枯らしが吹き荒れ、氷池の上には枯れ葉がたくさん舞いおちた。
いつ凍ってもいいように毎日、落ち葉を網ですくった。

2007年 1月 氷切り出し
 12月の下旬から再び氷が凍りはじめた。「今度こそ15cmの氷ができますように」と願いを込め、毎日拭き掃除をした。そんな時、氷の大敵となる雪が降りはじめた。雪が混じった氷は白くなり保存がききにくい。なんとか透明な氷ができるようにと毎日雪の掃き掃除もした。
 そんな中気温も上がりはじめ、このままだと氷が再び融けてしまう可能性があった。
思い切って「切り出し」を行うことに。切り出した氷は手づくりの「はしご」で氷室まで運ぶ。全部で切り出した氷は「163枚」。氷室の中で氷が融けにくいようおがくず(杉やひのき)を敷き詰めた。また、氷が融けて塊にならないよう、氷の並べ方も工夫した。
※本当は1シーズンに2〜3回切り出せるそうですが村は暖冬の影響で、1回しか切り出せませんでした。

2007年 6月 日よけ対策
 日が高くなり、氷室に直射日光があたるようになった。このままでは氷が融けてしまう。そこで、少しでも日が当たらないように竹を組んで日差し対策をした。

2007年 7月 氷室開き
 氷室開きが旧暦の6月1日ということで、それに合わせ村も氷室開き。 1ヶ月の役割を終えた竹をどけ、前の板をはずしていく。
おがくずを掘っても掘っても出てこない氷。もうなくなってしまったのかと思った瞬間、冷たい塊が手に触れた。それは今年1月に切り出した氷。
切り出した時は163枚だった氷もわずか37枚、ほぼ1/4に減っていた。少ししかない貴重な氷をカキ氷にしておいしく頂いた。手づくりのキイチゴジャム、いちごシロップもとてもおいしかった。