曲げわっぱ
曲げ物(まげもの)と呼ばれる木工細工。檜や杉の薄板を特殊な技法で円形・楕円形などに曲げて、山桜の皮(樺)で縫い、底をつけた容器の総称である。歴史的に曲物が使われ始めたのはかなり古く、平城宮跡の井戸の中から曲物の水杓や水桶が出土していることからもすでに奈良時代、日常生活に用いられていたことが証明されている。陶器が普及した江戸時代以降も庶民に親しまれ、プラスチックが出回っている現在もなおその長所が再認識されていて、大館・大阪・京都・伊勢・博多などで製造されている。
【曲げわっぱの性能】
以下の2つの性能があるとされる為にお弁当箱やおひつとして昔から重宝がられてきた。
◆調湿作用(湿度が増すと湿気を吸収し、湿度が下がると湿気を放出する機能)
◆保温機能(内部に空気をたくさん含んでいる為、熱を遮断する機能)

1. 風呂材の残りで蓋・底・曲げ輪の円盤の準備。
ヒノキの木材をわっぱの大きさに切り、更にその周辺よりやや長めの長方形の板をつくる(曲げ輪)、それを厚さ4oになるまでカンナで削る。

2.曲げ輪の両端部をカンナでさらに薄く削る。
削り台で木材を固定し、両先端部分7pほどをカンナで削る。

3.熱湯で10〜30分 2.の木材を煮沸する。
ゆで時間が少ないとうまく曲がらないのでしっかりゆでることが重要。


4.木材を曲げる。
ゴムがついたゴロと呼ばれる丸太で板を巻き込み、丸みをつける。


5.乾燥・接着・桜皮とじ。
囲炉裏の上で3日間乾燥させる。
曲げ輪同士が重なる箇所に穴をあけて桜の皮を通し、縫っていく。(曲げ輪完成)


5.蓋・底入れ。
隙間ができないよう、円盤板をヤスリがけしながら、曲げ輪に蓋・底のそれぞれの板を窮屈に叩き入れ、釘がわりのつま楊子で固定したら完成。
今回、本体の底は十字の木で組み上げ底式にし、セイロにも使えるようにした。



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