チーズとは・・・
 5000年も前から食されていたと言われるチーズ。チーズを大きく分類すると「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2種類に分けられる。
  「ナチュラルチーズ」は熟成の方法により味や風味に特徴が出るチーズ。「プロセスチーズ」は加熱、殺菌して熟成をとめているので、風味が一定。今回村では、ナチュラルチーズの中でもゴーダチーズを目標にしてチーズづくりに挑戦した。


1, ミルクを温める
 まずは、殺菌済みのミルクをゆっくりかき混ぜながら32℃まで温度をあげていく。ミルクを過度に過熱すると、凝固が不十分となりチーズの品質に悪影響を及ぼす為、ここではゆっくり温度をあげていくことが重要。

2, 乳酸菌を入れる
 32℃まで温めたミルクに「乳酸菌」を加える。この白い乳酸菌はチーズづくりで大切な働きをする。鍋の中の乳に含まれている成分「乳糖」が乳酸菌を入れる事によって乳の中にとけ込み固まりやすい状態になる。また、雑菌の繁殖を抑えたり、熟成を促進させる働きもある。

3, レンネットを入れる(凝固作業)
 レンネットとは凝乳酵素のことで、仔牛の胃袋に存在する。 乳酸菌が働いている乳にレンネットを入れると、たんぱく質の一部が切断され、不安定な状態になり、たんぱく質同士が結合し脂肪を取り囲んで固まる。

4, 白い塊(カード)と水分(ホエー)に分ける
 30分待つと、液体が弾力ある固体になる。ちょうどいい固さになってきた乳をしっかり水分が出るようにさいの目状に切っていく。数分時間を置くと、白い固まりの角がとれて徐々に水分が抜けてひきしまってくる。

5, 加熱
 白い塊(カード)から水分(ホエー)を抜いていく。まずは1/3ほど水分(ホエー)を出して、その後お湯を足して加熱し、さらに水分(ホエー)を抜いていく。

6, 型詰め
 ザルにうつして完全に白い塊(カード)と水分(ホエー)に分ける。次に、白い塊(カード)を竹筒の型に詰めていく。一時間ごとに重石をふやし反転を続け、徐々に水分(ホエー)を抜いていく。


7, 加塩
 
竹筒から塊を出し、一晩経って乾燥したチーズに熟成前の最後の仕上げで、チーズに塩を満遍なくまぶしていく。塩によって殺菌、味付け、熟成が進む。


8, 熟成
 加塩したチーズを、村の一番涼しい所「室」に持っていく。室の温度は15℃、湿度は80%と熟成には適した条件。これで後はうまく熟成してくれる予定だったが、そう上手くはいかず、梅雨の湿気でチーズがカビでしまった。急いで小刀で黒カビを削り、塩水を絞ったさらしで仕上げの殺菌をする。そして、少しでも湿気をとるため、室の中に炭を置いた。


 それでもカビが生える日は続き、チーズは徐々に小さくなる。これ以上チーズを小さくするわけにはいかず、やむを得ない決断であったが、蜜蝋のワックスでチーズをコーティングした。このワックスが少しでも効いてくれればチーズは残る。そんな祈りが通じたのか、3ヵ月後無事村のチーズは出来上がった。




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