豆板醤とは
発芽したソラマメと唐辛子を塩で漬け、発酵・熟成して作る調味料。「旨みと辛さを備えた味噌」とも言える。独特の香りと味わいは、四川料理になくてはならない味であり、四川省を代表する特産物のひとつ。
豆板醤の「豆板」は中国語で空豆、「醤」は発酵した調味料を意味し、すなわち豆板醤とは「空豆を発酵させた調味料」という意味である。


2007年3月 空豆の種まき
豆板醤の主原料の1つ「空豆」の種を、ポットに丁寧に蒔いていく。
日本では空豆の栽培は江戸時代から始まり、餅やお菓子としても食された栄養満点の食材。豆のサヤが空に向かってなることから「空豆」という名前がついたとされている。
そんな空豆の種は、普段私達が食しているものを乾燥させたもの。水をたっぷりあげて、後はハウスの中で芽が出るのを待つ。

2007年4月 空豆の定植
1ヶ月で空豆はぐんぐん伸び、苗の高さが18センチ程まで生長した。
ここからは、根を生やすために畑に定植する。
小さな穴をあけて、50cmの間隔で植えていく。全部で20個の苗を定植した。


2007年6月 空豆の花咲き/摘心/摘花
悪天候が続いたが、高さ1m20cmまで生長した。
空豆の綺麗な花も咲き始め、摘花、摘心の時期を迎えた。
摘花・摘心は、実の生長を促すため、大きく充実した実を収穫するために行う作業。
明雄さんいわく、空豆は「1つの節に花1個」にするらしい。
明雄さん指導のものと摘花、摘心を行った。

2007年7月 空豆収穫
大きく育った実の重みで、上を向いていた空豆は下へと垂れ下がってきた。
試しに1つサヤの中をあけてみると、大きく膨らんだ空豆が3つ入っていた。
ザルいっぱいの大収穫で、豆板醤づくりには十分な収穫量となった。


2007年8月 豆板醤づくり
栄養豊富な空豆と、去年獲れた赤唐辛子を主な原料とし、豆板醤づくりをすることになった。
<材料>
●空豆 500g ●唐辛子75g ●塩50g ●酒 190cc ●小麦粉25g ●米麹 大さじ1
<作り方>
@空豆をサヤから出して薄皮を付けたまま2分茹でる。
A空豆の薄皮は剥ぐ。
B乾燥した唐辛子を細かく刻む。
C空豆と唐辛子を細かくすり潰す。(原型を残せば残す程発酵しにくい)
D空豆と唐辛子を混ぜ合わせる。
E塩・酒・小麦粉・培養させた米麹を混ぜる。
F瓶にしまい保存する ※最後に、雑菌が入らないように和紙をつめる。

土の中に埋める・小型ハウスづくり
豆板醤ができるまでの期間は2つに分かれている。
最初の3ヶ月は「発酵期間」で米麹の働きで空豆の成分が分解され、旨みや甘みが増す。
3ヶ月が過ぎると、今度は、米麹は役目を終え、香りやコクを出す「熟成期間」に入る。
夏から秋にかけて、まずは、発酵を促すために「20〜35℃」を保つことが必要。そこで、常に一定の温度である地中に埋めることになった。
さらに、昼と夜の寒暖差を調節するため、手作りの小型ハウスをつくり、細かい温度調節もできるように工夫した。

2007年 10月 豆板醤を母屋へ移動
豆板醤ハウスの温度が19℃まで下がってきたので、常に炭で暖をとっている母屋の戸棚に移動した。戸棚の温度は22℃。ここからは熟成期間。願いをこめ数ヶ月待つことに。

2007年 12月 白カビ撤去
熟成期間に入って2ヶ月経った頃、白いカビが発生してしまった。まずは、急いでカビの部分を撤去し、これ以上カビが生えないように男酒で殺菌をし、カビの原因となる空気を防ぐため、チーズの時にも利用した蜜蝋で瓶の隙間をコーティングした。


2008年 6月 様子見
豆板醤に変化はないか母屋の戸棚をあけて確認してみる。
瓶の蓋の隙間を確認してみると、まだ蜜蝋でしっかりとコーティングされていた。そろそろ熟成が進んできた感じ。

2008年 8月 麻婆豆腐づくり
豆板醤を作って1年が経ち瓶を見てみることに。
熟成は進んで、旨みも加わり、強い辛さが食欲をそそる出来となった。
さっそく出来たての豆板醤で麻婆豆腐を作った。
辛さの中にも、旨みがあってとてもおいしかった。


<麻婆豆腐の作り方>
【材料】
●豆腐…1丁 ●豆板醤…大さじ2 ●にんにく…2片 ●シイタケ…6コ ●生姜…1/2片 ●ネギ…大さじ3
●砂糖…大さじ1 ●麦味噌…大さじ1 ●ダシ…200cc ●酒…大さじ1 ●水溶き片栗粉…大さじ2 ●油…大さじ1強
<作り方>
@にんにく、しいたけ、生姜、ネギをみじん切りにする。
A豆腐を2cm 角に切る。
Bフライパンを熱し、ごま油をひく。(強火)
Cにんにく、生姜、シイタケを炒める。
D砂糖と麦味噌を入れる。
E豆板醤を入れる。鍋肌からダシを入れる。
F豆腐を入れて煮詰める。酒と醤油を入れる。(中火で4分)
G水溶き片栗粉を4回に分けて入れて、最後にネギを振って混ぜ合わせる。
H皿に盛り付けて麻婆豆腐完成!


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