DASH村 ~新男米~

2001年 ~TOKIOの米作り・スタート~

福島DASH村で、米作りを始める。

<男米>
2002年から育てている品種。「ひとめぼれ」と「タカネミノリ」の交雑種。いもち病に弱い。

<新男米>
毎年、いもち病に悩ませられていた「男米」といもち病に強い「ふくみらい」を配合し、病気に強いTOKIOオリジナルの品種「新男米」が誕生した。

<ふくおとこ>
さらなる美味しさを目指して、2016年から品種改良に挑戦。
掛け合わせたお米は、明雄さん自らが作っていた米「チヨニシキ」。

2019年の米づくり

前回TOKIOは、より美味しいお米を作るため、去年収穫した「ふくおとこ」の種を城島・太一・松岡がそれぞれ選び、3パターンの種類に分けて、種まきと田植えを行なった。

2020年の米づくり

幕を開けた20回目の米づくりは、緊急事態宣言の中、福島に向かうことはできない。
城島の提案で城島、太一、松岡、そしてともに福島に通ってきたスタッフが手分けをして、東京の自宅で種から苗まで育てることになった。
そして、東京都立園芸高校の元ジャガイモ畑をお借りして田んぼを作り、6月上旬に無事田植えを終えることができた。

20回目の米づくり

<9月上旬>

19年間福島で育ったTOKIOの稲にとって初めて経験する東京の夏。
経験した事のない都会ならではの暑さが稲を襲った。

ヒートアイランド現象
福島との最大の違いは、夜の気温。
コンクリートが太陽の熱を吸収・放出して空気全体を暖めるので、それが夜になっても冷めない。
そのため、東京は30℃越えの超熱帯夜が多い。

<被害> 高温障害
稲は30℃以上の高温が続くと身の危険を感じ、呼吸が増えるため実に溜め込むはずの養分を使い果たし枯れてしまった。
特に枯れた穂が多かったのは、太一が苗から育て植えた場所。

太一の稲が酷く枯れた原因 日陰(日照不足)
太一が植えた場所の真上には、大きなケヤキの木が生えていて、ほとんど日が当たらない場所が。
実はTOKIOが園芸高校からお借りしている場所は元ジャガイモ畑だった所。
というのも作物によって日光を必要とする量は違い、ジャガイモが1日3時間に対し稲は倍の6時間以上必要。
思えば福島にあるTOKIOの田んぼを始め全国各地の米所に日陰はほぼない。
日当たりが悪い太一の稲は生き延びようとして日の当たる場所を探し上に上に伸びてしまい、その分、葉っぱに栄養を持って行かれ、 実の方には十分な栄養が行き渡らなかった。

【対策】
2003年に福島DASH村で学んだ反射シート対策を行うことに。

反射シート
白いシートを敷くことで直接日が当たらなくても反射した光の効果で実の生長が進む。
これなら太陽が出てなくても、反射した光で光合成の量が増え、実に栄養が行き渡る。

<9月下旬> 稲刈り

入学直後から休校や分散登校が続き、本来の授業が受けられなかった園芸高校の生徒さんも参加して頂いた。

【乾燥】
乾燥させないと、水分が多く、旨い米にならないばかりかカビも発生しやすい。
天日に干す事で旨味が凝縮する。
難波さんの田んぼの時には、棒がけで乾燥させていたが、今年は量も少なく、東京の気候風土に合わせて、かつて福島DASH村の時に行っていた、はせがけで乾燥させる事に。

  • はせがけ
    風の通りが悪く、乾燥しずらい場所ではひと束ひと束によく風が当たる「はせがけ」を行う。
  • 棒がけ
    縦に刺した棒に、井桁状に稲を乗せていく棒がけは風にも強い。
    難波さんの田んぼは風が強いため、「棒がけ」で乾燥させる。

<10月> 脱穀・籾摺り・精米

【脱穀】
脱穀に使うのは、昔福島DASH村でも使っていた足踏み脱穀機。
足でペダルをこぎ、爪の付いた筒を回転させることで、米の粒だけを外す。
<脱穀機の借用場所> 東京都立青梅総合高等学校

【籾摺り】
籾の殻を外して、玄米にしていく作業。
<籾摺り機の借用場所> 杉並区立柏の宮公園自然の会

【精米】
玄米を磨き。糠(ぬか)をとる事で白米になる。
<精米した場所> 粕谷精米店(東京都世田谷区中町3丁目6-1)
50年間、米を見てきたご主人、粕谷太一さんの評価
「小ぶりではあるがしっかりしている。」

福島の仲間たちの評価
「畑を田んぼにして作ったことを考えると大した出来」だと好評。
ちなみに撮影者は福島でお世話になっている伊藤利治さんと娘さんにもご協力して頂いた。

【食卓準備】
ご飯のお供にショウガやニンニクをたっぷり入れたDASH村特製の豚汁。
食材は、園芸高校の定時制の生徒が育てた里芋や小松菜など東京・世田谷産。
味噌は食品科の生徒が8か月熟成させて作った。
そして漬物名人の孝子さんが送ってくれた漬物セット。
梅干し、大根、きゅうり、なす、キムチ。

【食卓】
東京の厳しい環境に耐えたTOKIOのお米の味は…

<TOKIOの感想>
「良い香り。しっかり甘い。」

<福島の仲間たちの感想>
「甘味がある。モッチリしている。香りも良い。」

そして、毎年TOKIOの米を評価をしてもらっている入口さんにも食べて頂いた。

【入口さんによる評価】
米・食味分析鑑定コンクール:国際大会で、食味鑑定士長を長年務めている。
入口さんが鑑定した米は、大手デパートでも販売されており、通常の倍以上の価格で売られる。

<評価>
小粒だがバランスが取れていて、初めて自分達で育てたとしては良く出来ているとの評価を頂けた。

【来年に向けて】
荒れ地の草を刈り、固まった土をほぐして沢から水を引き田んぼにしたのが今から20年前。
その場所から離れて、今年で10年…。
20年繋いだこの種で、来年は新たな挑戦へ。