<田邊研一郎アナ シドニー 取材リポート>
2005/12/2

■ シドニーでのリティと10年ぶりの再会

11月24日から30日までオーストラリアのシドニーに行ってきました。
目的はもちろんシドニーFCのカズ選手そしてリトバルスキー監督へのインタビュー取材。

実は私、高校時代にジェフ市原(現ジェフ千葉)のユースチームに所属していて、リトバルスキーにサッカーを教わっていたのです。
95年、リティ(リトバルスキー監督の愛称)が一度現役を引退した最初の年に一年間だけユースチームのコーチをしてくれたのです。その時私は高校3年生。 私のポジションはGKだったので、よくリティに練習1時間前に来てもらって、シュート練習に付き合ってもらいました。

リティはものすごく負けず嫌い。際どいシュートを止めると、次のシュートは必ず本気で蹴ります。あのギュイーンと曲がるキックを本気で蹴られると指先でシュートに触わることすら出来ません。
私がもっとも衝撃を受けたのは、リティが一人でFKの練習をしている時。なんとボール拾いが面倒なので、わざとクロスバーにあてて跳ね返ってきたボールでまた練習するのです。

W杯に3度も出場し優勝まで経験している、西ドイツのスーパースターを相手に練習していたかとおもうと贅沢きわまりないですよね。

そんなリティとまさか10年後にシドニーで再会するとは!!
なにせ10年前のこと、私の中では鮮明な記憶として残っているもののリティは覚えていないかもしれない・・・。当時2人でとった写真を持ってインタビューに臨みました!

シドニー入り初日は練習なし。翌日は次の試合のためアデレードに移動。そのアデレードでまずはトレーニングを取材しました。
オーストラリアのサッカーはとにかく激しい。ラグビーが根付いている国だけに、日本にはないボディコンタクトの激しさがありました。190cmをゆうに超える巨人たちがぶつかりあうピッチのなかに、168cmのリティが毅然とした態度で指揮をとる。
小柄なドイツのエースは偉大な監督になっていました。

練習中の指示は実に細かく、さらに練習中の条件は実に細かく(例えばここはワンタッチ、ここはツータッチ、このラインを超えてからDFディフェンスをしていい。などなど)やはりこのあたりはドイツ人気質なのかな・・と思いながら間もなくやってくるインタビューの瞬間のことを心にとめながら、練習を見ていました。
そして練習終了後にインタビューのチャンスがやってきました!
リティが近づいてきた・・・。笑顔だ!! 覚えてくれているのか??それとも・・・。
この模様は「ズームイン!!SUPER」(毎週月〜金5:30〜8:00)の中のトヨタカップコーナー(12月5日〜19日 7:10頃)にて放送されますのでお楽しみに!! ※6、7日がシドニー特集です。


追伸:
みなさん「ズームイン!!SUPER」は見て頂けましたか?
残念ながら見逃した方のために追記です。

リティはもちろん、私のことえを覚えていてくれました。
アナウンサーとして、サッカーの実況も出来るようになったことを伝えると、
まるでお父さんのような笑顔を見せてくれました。うれしかったです!

息子さんたちが日本のお菓子が好きだと聞いていたので、大きな紙袋に3袋(私の荷物のほとんどです)渡したら「日本のお菓子好きなのねー」と、一番の笑顔!

また、あらためてなぜカズ選手を獲得したのかを聞いてみると、意外な本音が聞けました。
本当の理由とは・・・
「カズの一生懸命なところが、自分に似てると思っているから」

今、取材を終えて私が思うのは、93年にリティが日本のJリーグ開幕で見せてくれたプロ魂。あれから12年。リティはカズに自分と同じ役割を託したのではないでしょうか?

それが証明されるのは、そう遠い未来ではないのかもしれません。


アデレードでは幸運にもカズ選手のシドニーFC移籍後初ゴールも目の前で見ること
が出来ました!試合後は充実感にみなぎるカズ選手にインタビュー。
「ストライカーはゴールをあげること以外では信頼は深まらない」
この言葉が、厳しい世界で20年以上生き抜いてきた真のストライカーの言葉なのだと強く感じました。

果たして、FIFAトヨタカップクラブ選手権で、シドニーFCはどんなプレーを見せてくれるのか?そしてリティはどんな采配を見せるのか?
日本へ帰る飛行機の中で、どんどん期待が膨らみ、やる気満々になった私は思わず、成田から会社へ直行して働いてしまいました。
これからも僕も毎日の取材を頑張りたいと思います。
リティのように、熱く、細かく!

▼ リンク 「38歳シドニーでの挑戦!今日のKINGカズ」コーナーはこちら★

----- 田邊研一郎 (日テレ・アナウンサー) -----
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