年明けの1月2日、3日に開催される第100回箱根駅伝のチームエントリーが12月11日に行われました。100回記念大会の今回は、例年より3校多い23校が参加して開催されます。チームエントリーでは各校16人の選手が登録されました。29日の区間エントリーでは正競技者10人と補欠6人を登録。レース当日は、往路、復路合わせて6人、1日最大4人まで変更可能となります。
同日の記者発表会では、各大学の指揮官が意気込みを口にしました。
前回大会を制した駒澤大学は、今季も出雲駅伝、全日本大学駅伝で一度も先頭を譲らず、今大会には史上初となる2年連続学生駅伝三冠に王手をかけています。
今季の躍進を支える鈴木芽吹選手(4年)、篠原倖太朗選手(3年)、佐藤圭汰選手(2年)の三本柱に加えて、前回山上り(5区)、山下り(6区)を担った山川拓馬選手(2年)、伊藤蒼唯選手(2年)も順当にエントリーされました。
1万m27分台を持つ唐澤拓海選手(4年)、前回10区の青柿響選手(4年)はエントリーから外れましたが、盤石の顔ぶれといえそうです。
今季から指揮をとる藤田敦史監督は「今年のチームは主将の鈴木芽吹を中心に、非常にまとまりのあるチーム、絆の深いチーム」と手応えを口にします。チームの命運を握るのもやはり主将。「今季は継続して練習を積めていますので、彼には最後までチームを引っ張ってもらいたい」と鈴木主将に大きな期待を寄せています。
前回大会2位の中央大学は「今年のチームは、上期は5000mを中心にスピードを磨いてまいりました」と藤原正和監督が言うように、吉居大和選手(4年)、駿恭選手(2年)の吉居兄弟や、中野翔太選手(4年)、溜池一太選手(2年)といったスピード自慢がそろいました。磨き上げたスピードを武器に箱根路に挑みます。
一方で、ロードに強く、堅実さがある、湯浅仁選手(4年)や阿部陽樹選手(3年)も控えており、バランス良いオーダーを組むことができます。
藤原監督がキーマンに挙げたのは4年生。
「4年生に強い選手が揃っておりますので、4年生たちの活躍に期待をしています」
前回は2区の吉居大和選手、3区の中野選手の連続区間賞でチームは一気に勢いに乗りました。今回も序盤から勢いに乗り、その流れを切らさない布陣を築くことができそうです。
2年ぶり総合優勝を目指す青山学院大学は、主将の志貴勇斗選手(4年)、出雲駅伝で6区を走った鶴川正也(3年)がメンバー外となりました。
それでも、選手層の厚さは随一。力のある選手がそろいます。
なかでも「各世代にエース級のランナーがいる」と原晋監督が言うように、4年生の佐藤一世選手、3年生の太田蒼生選手、2年生の黒田朝日選手が強力で、指揮官も大きな期待を寄せます。
前回は特殊区間の5区・山上りと6区・山下りで苦戦し優勝争いから後退しました。今回は、前々回5区で好走した若林宏樹選手(3年)が登録されました。一方で、6区・山下りは誰が走っても初めてとなります。
“山”の攻略が鍵。「負けてたまるか大作戦」を掲げて王座奪還を狙います。
前回4位の國學院大學も戦力が充実。「若い選手に非常に勢いがあるチーム構成になっています」と前田康弘監督が言うように、2年生が5人、1年生が5人もエントリーされました。それでも、チームの屋台骨となるのは、伊地知賢造選手(4年)、平林清澄選手(3年)、山本歩夢選手(3年)の上級生3人。
「この3人で先頭に立ちたい。この3人の走りで(順位が)決まってくると思っています」
自慢の三本柱で勢いに乗り、4年ぶりの表彰台(3位以内)、さらにはまだ見ぬ“てっぺん”を狙いにいきます。
今季、出雲駅伝、全日本大学駅伝と2つの駅伝を駒澤大学が制しましたが、一気に距離が倍になる箱根駅伝は2つの駅伝とは別物。最後まで何が起きるか分かりません。王者・駒澤大学が優位と見られていますが、他大学にも優勝のチャンスは十分にありそうです。