ミズノの箱根駅伝グッズを製作
企画担当 塚原瑞穂さん(2022年入社、28歳)
デザイン担当 蔡佳蓁さん(2024年入社、28歳)
今や国民的な大会となった箱根駅伝で、スポーツメーカーのミズノはさまざまなアイテムの面で大会を彩ってきた。同社グローバルアパレルプロダクト本部に所属する企画担当の塚原瑞穂さん(写真左)やデザイン担当の蔡佳蓁さん(写真右)のアイデアや前向きな取り組みも箱根駅伝人気を支える一つの要因になっている。

ミズノが箱根駅伝に協賛し始めたのは、1997年(平成9年)の73回大会から。競技運営スタッフの防寒コートやウインドブレーカー、帽子などの提供、大会オフィシャルグッズやTシャツ、各校のたすきデザインを模した応援マフラータオルなどを製作・販売してきた。箱根駅伝の中継ではコマーシャルも流している。
2022年に入社した塚原さんと2023年入社の蔡さんは、ミズノが箱根駅伝に関わっていることを入社するまで知らなかったという。ただ、箱根駅伝についてはテレビで観たことがあった。
「幼い頃からお正月に祖父母の家でみんなで朝からテレビで観ていたので、家族で観る大会というイメージが強かったです。チーム全員で1つのたすきをつないでフィニッシュまで届ける駅伝は、一体感があり、責任感を感じながら走る選手の姿が純粋にすごいなと思っていました」(塚原さん)
「台湾でも知られているくらい有名な大会です。2020年に日本に来て、初めて箱根駅伝をテレビで観た時は、沿道で応援している人の多さに驚きましたし、レース自体に感動しました」(蔡さん)

ミズノには多くの優れたデザイナーがいる中で、2人はなぜ箱根駅伝グッズの製作担当に選ばれたのか。
塚原さんは「陸上競技の経験がない私は、伝統を守りつつ、経験者ではない視点で新しい何かを企画に吹き込んでいけるのが強みではないか」と考え、「そうした視点を生かして、自分なりの色を出していくことが求められている」と感じている。
「良くも悪くも箱根駅伝のイメージに縛られない」ところが塚原さんの持ち味。実際、今大会のアイテムの一つであるタオルなどに用いられた青色と水色を基調にしたデザインには、大手町のビル群を下から見上げるアングルで入れ込んだ。
「前任のデザイナーさんと2人でスタート地点に立たせてもらいました。『選手はこういう景色を見ていたんだ』と思いながら写真を撮って、それを落とし込んでもらったデザインが採用されました」
蔡さんは、この4、5年ほど若手デザイナーが担当してきた流れから、今回の抜擢に「ようやく私の番だ」という思いで、新たなスイッチが入ったようだ。先輩が中心となって作ったデザインは「斬新で美しく、こんなふうにできるのかと感動しました」と振り返る。
2人の仕事柄、選手やファン、そして箱根駅伝の文化を支えていると実感できるのは、グッズを身につけた人たちを目の当たりにした瞬間だろう。
前回の101回大会の際、初めて現地で観戦したという塚原さんは、「沿道に立たれている方たちがマフラータオルを選手に向かって掲げている姿を見て、こういうふうに使ってくれているんだな、と実感できました。何よりデザイナーさんと完成させたものが無事にお客様の手元に渡ったことがうれしかったと同時に、ほっとした気持ちにもなりました」と笑う。

しかし、企画にしてもデザインにしても、箱根駅伝という歴史ある巨大コンテンツのグッズデザインを担当するという点では、重圧やさまざまな困難があったに違いない。それらをどのように乗り越えてきたのか。
「私が担当している陸上競技の中でも、箱根駅伝のアイテムはファンの方々に一番身近に感じてもらえるものなので、グッズの出来について不安に感じることが多かった」と明かす塚原さん。そうした状況は「社内でいろいろな方に相談したり、前任の元選手だった方にアドバイスをいただいたりして、試行錯誤を繰り返しながら『もう大丈夫』という自信につなげていきました」と話す。
2027年の103回大会からメインデザイナーの役割を担う予定の蔡さんは、「日本人ではない自分が歴史のある箱根駅伝を担当することにプレッシャーを感じます」と言いつつも、今大会から先輩デザイナーのそばで学んできたこともあり、「ちょっとずつ安心感も出てきましたし、箱根駅伝のことをもっと理解できれば、デザインに関してもより自信が持てるようになるかなと思っています」と前向きだ。
そんな2人には、箱根駅伝のグッズ製作を通して、ミズノのブランドを進化させていきたい、というビジョンがある。
塚原さんが「伝統は大切にしつつ、革新的なことにもチャレンジしていけるブランドだということが選手やファンの方々に伝わっていくアイテムを作っていきたいです」と語れば、蔡さんは「グッズを通して、日本のファンの方々だけではなくて、外国の人たちにも箱根駅伝の魅力を広げられればいいと考えています」と視線は世界に向いている。
箱根駅伝のグッズは、その大会の記念として購入する人が少なくない。何年後かにそれを手に取った時、「あの大会はこんな白熱のレースだった」「あの選手が活躍した」と思い出がよみがえる。塚原さんも蔡さんも、ファン1人1人のストーリー作りに関わっているという意味で「喜びを感じられる」と声をそろえる。

最後に、それぞれのステージや持ち場において、「まだ若手で“主役”にはなれない」と感じている方々へ、すでに現場で活躍する2人がメッセージを送ってくれた。
「最初から“主役”になるのは難しいので、自分が知らない分野でもいろいろ挑戦することで、できることが増えて得意なことが見つかると思います。ちょっと根気を持って、どんどん挑戦してほしいです」(蔡さん)
「若いとか経験が浅いからと自分の可能性を否定して萎縮する必要はありません。自分を信じて与えられた仕事を一つずつやり続けることで、認めてもらえることは確実に増えていきます。それと、新しいことに挑戦すると、自分で自信がつくだけではなく、周りからも『努力できる人なんだ』と評価してもらえるので、私自身、これからもいろいろなことに挑戦して頑張ろうと思っています」(塚原さん)
箱根駅伝のランナーと同様、塚原さんと蔡さんも自身のフィールドで前だけを見て走り続ける。
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