第570回日本テレビ放送番組審議会は、7月10日に放送された『熱唱!ミリオンシンガー』の合評を行いました。
人気アーティストの歌声の「完全再現」にチャレンジするという番組で、5人の審査員が、歌声を聴いて「完全に再現されている」と判断したら100点、今までにないほど感動したら101点を出すという採点システムで、合計が501点以上だと「神声」と認定されるという、「ものまね番組」とも違う新しい音楽バラエティーです。(1名リポート)

  • 新しいスタイルの音楽バラエティーとして楽しく見たが、歌っている途中で審査員や出演者のリアクションが大きすぎると興ざめするところがあった。また、審査基準が良く分からず、どういうポイントでこの点数なのかというプロの意見を聞けると良かったと思う。
  • 身近な人たちが歌っているので、一緒になって歌おうかという気持ちになり、色んな歌を聞けて楽しかった。最後まで501点が出なかったのは逆に気持ち良く、審査員の「出したいけれども、出せなかった」という一言がフェアな感じがした。
  • 2時間が長いと感じた。ずっと単調な感じで進むので、もっと波があったら良いと思う。少し飛ばしながら見ようかという気持ちになってしまった。
  • 歌い手は男女が交互に出演し、色んな年齢層の方が出てきて良かったと思う。ただ、番組の進行には違和感があった。ジェンダーバイアスがかかっているように見えてしまい、せっかく全体的に配慮されているのに、残念な感じがした。
  • もう少し一人一人のストーリーや背景を聞きたかった。また、歌唱力を堪能するならば、審査員から「ここが凄く似ていた」とか、「こういう特徴があれば似る」などの具体的な解説があると、「なるほど」という思いも、もう少し抱けたのではないかと思った。
  • 完全再現を目的にしているのなら、101点はどうやったら出せるのだろうと思った。本人には負けているけど、素人としては凄くうまく出来たという人に101点を出す審査員の勇気は認めたい。
  • 歌い手がスタジオにおらず、臨場感に欠けたところが残念だった。自分の家のテレビの中の、更にその中にある画面を見るので、歌っている人が凄く遠くにいる感じがした。
  • 演出面で違和感があった。主役はシンガーなのに一番小さく映ってしまっている。ごちゃごちゃした演出よりも、「シンガーの魅力をいかに生かすか」が原点だと思うので、その原点に返っていただきたい。
  • 99点と101点の違いは何かという興味を持ちたくても、すぐに次に行くので分からないままモヤモヤしたところが残念で辛いと思った。
  • 審査員気分で聞いたりして楽しかったが、同じことの繰り返しなのでちょっと飽きた。マイナスなコメントが無いので、なぜその評価なのかを知りたい気がしたが、マイナスの感想が一切ないのが、ある種の今っぽさ、気持ちよさなのかもしれないと思った。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「今回初めて2時間の放送を行ったが、どうしても歌っている様子が中心となり、出場者のプロフィールや、審査員の採点理由などを十分に伝えられなかったことが反省点。番組内のジェンダーバランスなどについては、今後は演出方法を見直すなど、いただいたご意見を参考にして、よりよい番組作りに活かしていきたい。」