■ゲーテ 『「若きウェルテルの悩み」を執筆した家』

(2004/4/28放送)
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ドイツ商業の中心都市、フランクフルト。
目抜き通りを少し外れた小さな路地に佇む建物は、
文学者・ゲーテの家です。
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大学で法律を学び、地方の裁判所で研修を終えた彼が、
この家に帰ってきたのは、23歳のこと。
婚約者のいる女性、シャルロッテへの恋に、
破れたのちの帰郷でした。
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切なさに胸を焦がしながら、
壁に貼られた、シャルロッテの影絵を見つめる毎日。
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やがて彼は心を整理する為、一つの小説を書き始めました。
「若きウェルテルの悩み」
次々と、忍ぶこともままならぬ苦悩を紡いでいったのです。
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そしてある日、彼は気づきました。
影絵の中、色褪せず輝く、彼女の優しい笑顔に・・・。
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「人生の咲き誇る花は幻なのだ。
しかしそれでも既に、充分の熟した果実が存在するのだ」
(「若きウェルテルの悩み」より)
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ゲーテの想いは、
永遠に変わらない、愛することの苦しさと喜びを、
私たちに伝えてくれます。
春の訪れを待つ、この家から。
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■ゲーテ 『「若きウェルテルの悩み」を執筆した家』

(2004/4/28放送)
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今回の放送のBGM♪
「An den Mond D、296(月に寄せて)」Dawn Upshaw
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次回(5月5日)の『心に残る家』は 谷崎潤一郎『細雪の舞台「倚松庵」』をお送りします。 お楽しみに。 |
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