山本有三  『「路傍の石」を書いた家』

(2004/10/20放送)


東京都・三鷹市。
木立が茂る道を行くと出会う、瀟洒な英国風の建物は、
作家・山本有三が「路傍の石」を執筆した家です。


   
   
彼が閑静なこの地に移り住んだのは、48歳のこと。
創作するのに良い環境を、常に求めていた有三は、
この家を一目見て心を奪われました。
緻密な設計、自由な創造性が、
自らの目指す作品作りと相通じていたのです。


   
   
陽だまりの午後、
サンルームでお茶を楽しむひとときや、
妻や子供、かけがえのない者たちと過ごす時間が、
彼の心に安らぎを与えました。
そして書斎に篭り、執筆に励むのです。
書くことこそ己の生きる証と信じて…。


   
いつしか有三は、原稿用紙のなか誕生させます。
真摯な生き方を貫く、一人の少年の物語を―。


 
「たった一度しかない一生を生かさなかったら
 生まれてきたかいが ないじゃないか」(「路傍の石」より)
 
山本有三の想いは、今も「明日」を見つめています。
木漏れ日が眩しいこの家から。


山本有三  『「路傍の石」を書いた家』

(2004/10/20放送)

今回の放送のBGM♪
「NOTHING CLINGS LIKE IVY」 Elvis Costello
次回(10月27日)の『心に残る家』は
ハーマン メルヴィル『作家として挑戦した家』
をお送りします。
お楽しみに。