■正岡子規 無限の世界を見つめた「子規庵」

(2006/2/15放送)
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台東区、根岸。下町の風情漂うこの町の一角に佇む「子規庵」。
近代俳句の父・正岡子規の終の棲家です。
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肺結核を患っていた彼は、この家で多くを病床で過ごしました。
蒲団の外へ出ることも叶わぬ日々。
容態が思わしくないときは、体を動かすことすら出来ません。
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そんなとき子規の目に映るのは、ガラス戸の向こう。
逞しく成長する糸瓜に、彼の心は癒されます。
そして子規の耳に届くのは、塀の外から聞こえる賑やかな声や音。
下町特有の明るさが、彼の心に灯を点してくれました。
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ここにはたびたび友人や門弟がやってきます。
夏目漱石、伊藤左千夫、高浜虚子。
彼から聞く話は子規にとって、外の世界への掛け橋。
胸を躍らせながら想像力を膨らませました。
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「月一厘星無数空緑なり」
研ぎ澄まされてゆくその感性。
子規は生涯に渡り、二万三千もの俳句を作ったのです。
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正岡子規は僅か35年の人生をこの家で終えました。
果てしなく広い世界を見つめながら。
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■正岡子規 無限の世界を見つめた「子規庵」

(2006/2/15放送)
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今回の放送のBGM♪
「Lydia」唄 Josh Kelly
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次回(2月22日)の『心に残る家』は 野口雨情「自然に育まれた生家」をお送りします。 お楽しみに。 |
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