相田 みつを  『にんげんだもの』を書き上げた家  2001/12/12放送

   
栃木県足利市。
のどかな風景が広がるこの町の、坂道のたもとに住まう人を思わせる静かな佇まいの家があります。


  書家であり、詩人でもある、相田みつをが晩年を過ごした家。


   
ミリオンセラーとなった代表作『にんげんだもの』は、この家で書き上げられました。


   
   
白い紙に筆を走らせ、自分の思いを言葉に託し人々に伝えた、相田みつを。
彼は、書を書く時はもちろん、お茶を飲んで一服するときでさえ、いつも背筋をぴんとして、姿勢を正しくしていた人でした。


   
   
川べりで魚釣りをしたり、裏山を歩いて四季の移ろいに想いを馳せたり…。
日常の些細な出来事から生まれてくる「感動」


   
その、いつ訪れるかもしれない「感動」を、彼は全身で受け止めていたのです。


   
「いま ここ じぶん いま ここ じぶん
それをどう充実させて生きるか あるいはむなしく生きるか
それを決めるのは いま ここの じぶん」


   
   
アトリエにある天窓は、そんな彼が一仕事終えて、ほっと心を落ち着ける為に作った窓だといいます。振り返った瞬間、木々の緑が目に飛び込むように…。

安らぎと言う名の「感動」を求めて。


相田 みつを  『にんげんだもの』を書き上げた家  2001/12/12放送



 


次回(1月9日)の『心に残る家』は
マリヤ キュリー 『家族と過ごした生家』
をお送りします。お楽しみに。


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