ウィリアム ワーズワーズ  『幸福を知った家』  2002/6/26放送

   
   
イギリス 湖水地方に佇む、グラスミア湖。
湖畔の町を少し歩くと、小さな白いコテージに出会います。

ロマン主義の詩人として名高い、ワーズワースの家です。



   
各地を転々と暮らしていた彼が、
故郷に戻り、この家に住み始めたのは29歳のとき。
やがて結婚し、穏やかな生活に安らぎを感じていきます。


   
ワーズワースは自分自身を見詰め直しました。


   
両親を亡くし、孤独だった少年時代。
激しい恋をした、フランスでの日々。
冬のドイツをさ迷った、凍える旅。


   
過去を振り返りながら浮かぶ思いを、
今ここにある言葉で紡いでいきます。
そしてそれらの詩は、湖を渡る風と溶け合い、
彼の才能を開花させていったのでした。


 
 
机に、そっと差し出される紅茶。
ふと目をあげると、そこには美しい妻がいます。

彼女は、幼い頃に思いを寄せていた初恋の人。
放浪の詩人に、故郷の自然の中で暮らす喜びを与えた人。


 
 
「愛の力には、慰みがある」

ワーズワースの心を癒し、その詩を輝かせたのは妻の愛だったのです。


ウィリアム ワーズワーズ  『幸福を知った家』  2002/6/26放送

 

 ♪『HOME SWEET HOME』
 唄:THE SCHOLARS


次回(7月3日)の『心に残る家』は
マーガレット ミッチェル
『「風と共に去りぬ」を書いた家』
をお送りします。お楽しみに。