始皇帝  『国を想う心「万里の長城」』

(2005/2/9放送)


中国北部の広大な地に、
3000km以上も連なる壮麗な城壁は、
世界遺産にもなった人類史上最大の建造物、「万里の長城」です。


   
紀元前221年。
初めて中国全土を統一した秦の始皇帝は、
北方の騎馬民族などから国を守るため、
それまでにあった幾つかの城をつなぎ合わせることを命じました。


   
   
   
長城を建設するに当たり、砂漠から砂が、森から木が、
山河からは石と水が無くなったと言われるほどの過酷な作業に、
数十万の国民が汗と血を流し、尊い命を失いました。
それでも始皇帝は推し進めます。
新しい国の平和と、発展のために…。


   
   
やがて完成した長城は、万人の暮らしを守り続けました。
始皇帝の死後、秦が滅亡したのちも、
各王朝は膨大な費用と人力を掛け、
長城をより強固なものにしていくのです。
中国は、そのなかで独自の文明を育んでいきました。


   
国の守護神・龍にも例えられる万里の長城。
その雄大な姿は、
人々の母国を愛する心と誇り、そのものなのかもしれません。


始皇帝  『国を想う心「万里の長城」』

(2005/2/9放送)

今回の放送のBGM♪
「恋歌」演奏 チェン ミン
次回(2月16日)の『心に残る家』は
梅蘭芳『京劇に全てを捧げた家』
をお送りします。
お楽しみに。