ゲーテ  『新たな道を歩み始めた家』

(2005/8/31放送)


「ドイツのアテネ」と称される古都・ワイマール。
風薫る公園のなかに、文豪・ゲーテの別荘があります。


   
「若きヴェルテルの悩み」や、
「ゲッツ」などを執筆した彼が、
ワイマール国王に招かれこの地にやってきたのは、26歳のとき。


   
高い知性と優れた人格で、
人々を魅了するゲーテを見込んだ国王は、
政治に力を貸してくれるよう頼みます。


   
既に文学者として名声を得ていたゲーテでしたが、
政治家になるということは、一からの出発。
どれほどの苦労が伴うかも分かりません。


   
   
けれど彼は決断します。
未知の世界を切り開いてみようと…。
そしてこの国の未来のため、行政や外交に取り組みながら、
10年以上の長きに渡って大臣を務めるのです。


   
「どんな大胆な人もまだ道をつけていないところでは
  自身で道を作るがいい」(「勇気」より)


   
この家での暮らしを経て、深みを増したゲーテの作品。
そこに注がれたものは、
新しい自分と出会えた「歓び」だったのかもしれません。


ゲーテ  『新たな道を歩み始めた家』

(2005/8/31放送)

今回の放送のBGM♪
「TROUBLE」唄 コールドプレイ
次回(9月7日)の『心に残る家』は
ジャン・コクトー『友情に癒された家』
をお送りします。
お楽しみに。