■ 隨心院(ずいしんいん)4月26日放送

小野小町の屋敷跡に建つ隨心院は正暦二年(991)に創建された古刹。小町が化粧に使った井戸や恋文を下張に使ったという文張地蔵など、小町ゆかりの遺跡を数多く残します。
寝殿造りの本堂では定朝作の阿弥陀如来像など多くの仏像を安置、書院・奥書院は狩野派の襖絵で飾られています。参道の脇に広がる小野梅園にはおよそ100本の梅があり、2月末から4月初旬にかけて、薄紅色のはねずの梅が花を咲かせます。




山科に建つ、優雅な佇まいの隨心院。
まもなく参道を彩るツツジの刈り込みが境内へと誘います。



ここは平安時代の歌人・小野小町の邸宅跡に建てられたお寺。
境内の一角には、朝夕、小町が肌を磨いたという化粧の井戸が今も水をたたえ、小町を偲ばせます。



雅な趣を残す本堂には、大勢の仏さまに囲まれたご本尊。
秘仏として普段はお顔を拝むことが出来ませんが、明日から5月5日まで厨子が開かれます。



久しぶりに外を眺める観音さまも、さぞかし新緑を楽しまれることでしょう。




書院を飾る襖絵は狩野派によるもの。
奥には回廊越しに、薄桃色の石楠花(しゃくなげ)が麗しい姿を見せます。



楚々とした花の美しさに、人生のはかなさを歌に詠んだ小町を想わずにはいられません。



石楠花からツツジへ、春を謳歌する隨心院です。


隨心院は梅で有名なお寺。「はねず」と呼ばれる遅咲きの紅梅が境内を赤く染める頃、大勢の拝観客で賑わいます。
 境内の建物は回廊で結ばれ、所々に設えた庭に石楠花が美しい花を咲かせます。
撮影時は霧島つつじの赤い花が咲きはじめた頃で、石楠花の薄桃色や苔の緑とあいまって、庭はとても艶やかでした。
小野小町ゆかりの遺跡は、番組でご紹介した「化粧の井戸」のほかに、多くの人々から寄せられた文を下張りして作った文張地蔵尊像や恋文を埋めた文塚、小町晩年の姿を写した「卒塔婆小町坐像」などがあります。ただ「卒塔婆小町坐像」は、絶世の美女・小野小町のイメージとかなり異なり、個人的には複雑な思いで眺めてまいりました・・・

4月28日から5月5日までは、番組でご紹介した本尊の特別公開とともに庭園がライトアップされます。また、5月1日から31日まで「小町と業平展」が開催され、善通寺(香川)所蔵の「三十六歌仙扁額」(本邦初公開)が展示されます。


「 Eternal 」
作曲者:平沼有梨
演奏者:平沼有梨