今週の放送内容

妙心寺(みょうしんじ)
1月27日放送

妙心寺が応仁の乱での荒廃から再興しつつあった慶長四年(1599)に造営された三門。東西12m南北8m高さ16mの丹塗りの建物は、禅宗様式建築の特徴を備え、閣上には観音三尊(観音菩薩、善財童子、月蓋長者)と十六羅漢が安置されている。 天井や柱一面に波や雲、龍、鳳凰、飛天などの彩色画が鮮やかに残り、往時を偲ばせる。
衡梅院は1479年、妙心寺中興の祖、雪江宗深禅師が建立。現在の方丈は1604年に再建された。方丈の襖絵52枚は大阪狩野派の流れを汲む大岡春卜の作で、春卜の作品がこれほど揃っているのはここだけと言われている。方丈前の「四河一源の庭」は杉苔に石組みと楓が調和する簡素な庭で、紅葉の季節は特に美しい。

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今週は妙心寺を訪ねます。


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洛西・花園。
四十七もの塔頭を持つ巨大な禅寺、妙心寺。


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その象徴の三門が、
二月一日からおよそ十年ぶりに 公開されます。


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鮮やかな極彩色(ごくさいしき)に彩られた内部には、
十六羅漢や 観音菩薩が祀られ、荘厳な仏たちの世界が広がります。

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修行に励む羅漢たちを天井の龍が護り続けています。


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三門と同時に公開される塔頭、衡梅院(こうばいいん)。

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国の重要文化財の方丈は
禅宗の建築様式を今に伝えています。


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内部を飾る襖絵は江戸中期の画家で
狩野派の流れを汲む大岡春ト(しゅんぼく)の作。


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墨一色で描かれた獅子や羅漢像が
禅寺ならではの濃密な空気を漂わせます。


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方丈の前には苔の庭。
部屋の濃密な空気とは一変した、
穏やかな佇まいが心地よい衡梅院です。

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三門は、どのお寺も階段が急なので、撮影機材を少しずつしか運び上げられず、何度も往復するため撮影開始まで1時間ほどかかってしまいます。今回の妙心寺の階段は、急な上に狭くて天井が低く、不自然な体勢での運搬でスタッフはクタクタ。拝観の際は、このスタッフ泣かせの階段の足元と頭上にくれぐれも御注意を!
禅寺には衡梅院のような苔の庭の他、石庭も多く見られます。石庭の場合、方丈内の緊張感?が石庭までつながっていて、緊張の持続を強要されているような気がします。それはそれなりに心地よい体験です。苔庭の場合は方丈の緊張から解放される感覚があり、出鱈目な生き方をしている私はいつでも解放されたいと願っているからでしょうか、方丈から苔の庭に出る瞬間が何故か気に入っています。皆さんはどちらがお好みでしょうか?


「Oriental Heart」
作曲・演奏者:Tato Gomez