今週の放送内容

浄瑠璃寺(じょうるりじ)
10月6日放送

平安時代に建てられた浄瑠璃寺は、浄土式の庭園を持つお寺です。煩悩の河を表現した池を中心にして、浄瑠璃浄土をさす東に薬師如来が祀られた三重塔、現実世界を示す南に大日如来を祀った潅頂堂、極楽浄土をさす西に阿弥陀如来を安置した九体阿弥陀堂があります。それぞれの仏像には、過去世から送り出し現世での苦しみから救ってくれる、苦悩の現実から立ち上がり未来の理想を目指して進む道を教えてくれる、また、極楽浄土へ迎え入れてくれるという意味があります。
人間は功徳の積み方によって9段階に分かれており、それに往生の段階があると考えられていますが、9体の阿弥陀如来は、どの段階にある人をも救うと伝えられています。浄瑠璃寺は九体阿弥陀如来が残る唯一のお寺です。

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今週は浄瑠璃寺(じょうるりじ)を訪ねます。


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奈良との県境に位置する当尾(とうの)。


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この地方に点在する磨崖仏は、人々に大切に守られてきました。


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東の浄土、浄瑠璃からその名をいただいた浄瑠璃寺。


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その庭園には四季折々の花が咲き、まさに浄土そのものです。


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境内の東側に建つ三重塔。


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現世での苦しみを救う薬師如来が、
平安時代から変わらぬお姿で訪れる人々を見守り続けています。


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そして煩悩の河を意味する池の対岸には九体阿弥陀堂。


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9体の阿弥陀如来像は、
どんな人をも極楽浄土に迎え入れてくれると伝えられてきました。
9体揃った形で残るのは、ここ浄瑠璃寺だけです。

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現在、特別公開中の馬頭観音像は菩薩には珍しい怒り顔。
苦しみや悪を破壊してくれます。


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西方浄土に沈む秋の夕日が、心に安らぎをもたらします。


山一つ越えると奈良県という場所に建つ浄瑠璃寺。このお寺は、その昔、奈良に都が移った際、奈良の僧侶たちが静けさを求めて瞑想にやってきたというだけあり、とても静かで趣がありました。美しい棚田が広がるのどかな当尾の土地柄でしょうか?お寺の皆さんは、とても親切でアットホームな雰囲気。都会の喧騒や日常の世界から離れて、穏やかな時間を過ごしてみてはいかがですか?また、涼しくなった今だからこそ、磨崖仏を巡る当尾散策もお勧めです。


「FUJI」
作曲・演奏者:川嶋哲郎 竹澤悦子