パナテナイア祭型黒像式アンフォラ
  パナテナイア祭はアテナ女神の大祭典で、アテネの1年の第1月ヘカトムバイオン(現在の7月−8月)の28日から開催された。この日はアテナの誕生日とされる。このタイプのアンフォラ(本来はワインなど液体を貯蔵する容器だが、墓標にも使用された)は、パナテナイア祭の競技の優勝者にオリーヴ油を入れて贈られたもので、一面にアテナ女神を描き、その裏面に優勝者の競技種目が描かれた。前540年頃に規格化されて、前500年頃に陶器画の技法が黒像式(黒絵式)から赤像式(赤絵式)に転換した後も、特別なアンフォラとしてこの規格と技法が維持された。また、前4世紀には、パナテナイア祭開催年のアルコン(執政官)の名が記され、しかもアルコンは1年任期なので、制作年が特定できる貴重な作品群である。
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