第4章 マリー・アントワネットと子どもたち

1774年、ルイ16世とマリー・アントワネットは世継ぎのないまま王位を継承した。4年後の1778年12月20日、 マリー・アントワネットは女児を出産。民衆は男の跡継ぎを期待してはいたが、それでも王妃への敬愛の情を率直に表明した。1781年10月22日、王妃は待望の男児を出産する。彼こそ長い間待ち望まれていた嫡子であった。つづいて1785年にはノルマンディ公ルイ・シャルルが誕生、翌1786年には末娘ソフィーが生まれたが、この子は数ヶ月後に亡くなった。しかし、今やマリー・アントワネットの地位も磐石なものとなった。王妃お気に入りの公式肖像画家ヴィジェ・ル・ブランは王妃や子供たちの肖像を多数描いているが、1787年には、次第に高まるマリー・アントワネットの不人気を意識して王妃は彼女に、子どもたちの幸せにしっかり気を配る母としてのイメージを強調した有名な家族の肖像を制作させている。

フランソワ・メナジョ 《1781年10月22日の王太子ルイ・ジョゼフ・グザヴィエ・フランソワの誕生の寓意》 1783年 油彩、カンヴァス 98×130cm ヴェルサイユ宮殿美術館(パリ、ルーヴル美術館より寄託) ©RMN-GP (Château de Versailles)/Droits réservés

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