知識の宝庫!目がテン!ライブラリー




 なぜ違う?イヌネコ  #577 (2001/04/15) 

 人気の2大ペットといえば、イヌとネコ。世の中は、イヌ派とネコ派、結構はっきりと分かれます。「目がテン!」でも、所さんは両方とも飼っていますが、矢野さんはイヌ派、魚住アナはネコ派、と分かれました。イヌ派のネコに対する言い分は“自分勝手、マイペース”、ネコ派のイヌに対する言い分は“媚びている、馴れ馴れしい”。もともとのルーツは同じというこの2つの動物はどうしてこうも違うのでしょうか?

猫じゃらしにじゃれるトラ  ネコの先祖はヤマネコ。そしてその仲間には、トラやライオンがいます。では、トラも猫じゃらしに反応するのでしょうか?なんと魚住アナが体を張って(?)サファリパークで決死の実験です。するとなんと、トラは猫じゃらしに反応するどころか、思いっきりじゃれ始めたのです!魚ちゃん、気分は完全に猛獣使い!ネコ科の動物は、獲物が至近距離に近づくまでじっと息を殺して待ち伏せし、目の前に来たところで一気に襲いかかるという、共通した狩りの習性を持っています。そのため目の前の動く物に素早く反応するのです。

 ところでイヌの先祖はオオカミ。それではと、矢野さんはイヌにオオカミの遠吠えを聞かせてみました。すると実験していた所と別の場所にいたイヌが鳴き始め、その後実験していたイヌ達もいっせいに鳴き始めました。オオカミは、ネコ科の動物と違い、群れを作って狩りを行います。しかし群れの一頭一頭の移動範囲はとても広く、しばしば群れから遠く離れてしまいます。そこで遠吠えをすることで、仲間同士の位置を確認しあう必要があるわけです。そのため、実験している所とは別のイヌから鳴き始めたというわけです。

ルームランナーで走るイヌ  何と登場したのはイヌのルームランナー。実はイヌは、持久力に優れた動物なのです。はたしてイヌの持久力はどれくらいなのでしょう?シベリアンハスキー君に協力してもらい、実験開始です!このハスキー君、ちょっと太目のため時速10kmで30分しか持ちませんでしたが、本来イヌゾリを引くシベリアンハスキーは、8時間で160kmも走り続けることが出来ます。ところでイヌは、 走った後思いっきり舌を出しています。いったいなぜイヌはこんなに舌を出すのでしょう?それはイヌの持久力と関係がありました。

 そこでこんな実験です。あるウィリッシュコーギー君の安静時の体温を測ると38.7℃。次に10分間運動した直後の体温を測ると、40.2℃でした。この時かわいそうですが、コーギー君の口を閉じ、舌を出せないようにしてみました。すると10分たっても体温は変わらないままです。それでは口を開けてもらいましょう。口を開けるやいなや舌を出してハァハァと息をし始めました。すると体温はみるみると下がり始めたのです。そして口を開けて10分後には、平熱に戻りました。人間は、汗をかくことで体温調節ができますが、汗腺がほとんどないイヌは汗をかいて調節することが出来ません。そこで、口を開けることで素早く体温を下げていたのです。

 イヌの立ち小便は何のためなのでしょう?なわばりを示すためといわれていますが、どうなのでしょう。「目がテン!」では集団で生活しているシェパードを散歩に連れていきました。するとシェパード達は同じ木に集まっていっせいにオシッコを始めました。他の木でも同様に、3頭が必ず一緒にオシッコするのです。これも群れで生活するオオカミから、イヌが受け継いだ特性でした。1頭でマーキングして臭いを残すよりも、何頭もの臭いを残すことで、数の多い、大きな群れであることを誇示していたのです。

 一方ネコは、立ち小便をしないのでしょうか?そもそもネコの1日ってどうなっているのでしょうか?そこで魚住アナがネコ追跡の名人と共に、ネコの1日に密着します。ネコは民家の家と家の間のような、通称「ネコ道」と呼ばれる人の入り込めない細い道を好んで通ります。ネコも、イヌと同様に縄張りを持っています。昼間、ネコが一匹でフラフラと歩いているのは、自分のテリトリーの点検をしているわけです。その時塀の角などに顔をこすりつけている光景を良く見ますが、顔にある臭い腺から出る臭いをこすりつけ、マーキングをしているのです。さらに仕上げで、足こそ上げませんが、対象にお尻を向け、ピュッと一吹きスプレーのようなオシッコをかけて行くのです。何とネコも立小便をしたのです。よく飼い主が家に帰ってくると、ネコが擦り寄ってきて顔を足にこすりつけてきますが、あれも甘えているというよりは、縄張りの確認だったのです。

所さんのポイント
衝撃の事実!!ネコも立小便をしていた!!

 イヌやネコが嫌いな人に朗報!イヌやネコへの上手な接し方というものがあったのです。イヌが嫌いな人は、幼い頃に追いかけられたり噛みつかれたりされた経験のある人が多いようですが、そんな時はきっとイヌに本能的な恐怖を与えてしまっているのです。まずイヌは、前から駆け寄ったり、高い位置から押さえつけられることを怖がり、恐怖心から相手を攻撃しようとします。また目の前で駆け出すと、イヌは獲物を追いかける本能があるので、どこまでも追いかけて行きます。ですから、これらのことは、絶対にしてはいけません。

 それではどんな接し方をすると良いのでしょう。まず正面からではなく、斜めからイヌに近づき、飼い主さんに触っても良いかどうかたずねましょう。お許しをもらったら、ゆっくりとイヌの目線の高さにしゃがみ、手をグーにしてイヌの鼻先にそっと差し出します。手をヒラヒラさせると獲物と間違えて噛みつこうとするので、してはいけません。グーに差し出した手をイヌがクンクン匂いを嗅ぎ、気を許したようだったらあごの下やのどをやさしくなでて上げましょう。イヌから離れる時も、急に立ち上がらず、ゆっくりと離れてください。

 ネコとの接し方ですが、ネコは基本的に群れを作らない孤高の生き物です。特に屋外で出会うネコは、人に慣れているかどうかわかりませんので触ろうとしないで下さい。家の中でも無理に近づこうとせず、ネコの方から近づいてくるのを待ちましょう。

所さんのポイント
イヌ、ネコの本能を理解して仲良くなろう!


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