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 すぐ下がる!? 血圧の謎  #598 (2001/09/16) 

 日本人の4人に1人が高血圧(上140、下90以上)だといわれています。脳出血、心筋こうそく、狭心症…高血圧は、様々な病気を自覚症状の無いまま進行させ、引き起こします。そのため別名“サイレントキラー”とも呼ばれています。矢野さんも血圧を測ってみたら上は140・下は90とちょっと高血圧気味でした。なんとか血圧を下げたい!矢野さんは、血圧の謎解明に乗り出しました。

血圧を測っている野さん  そもそも血圧とは、血管を流れる血液が持っている圧力のことを言い、動脈にしかありません。一般に上の血圧と言われているのは、心臓がギュッと縮まって血液を押し出したときの圧力のことで、下の血圧とは、心臓が一番広がった瞬間の血圧を言います。

魚住血圧1日変化グラフ  まず矢野さんは様々な姿勢で血圧を測ってみました。立って測ると上は135・下が94。座った時とほとんど変わりません。寝た状態ではちょっと低くなって上は125・下が82になりました。今度はしゃがんで測ってみます。すると、なんと上が164・下が109と急上昇したのです。

 では1日24時間で、血圧はどのように変わるのでしょう?魚住アナが24時間血圧測定に挑戦しました!すると寝ている時は低く、昼間は高め。生放送直前には緊張が高まり、上が124・下が88とこの日最高を記録しました。1日の中でも随分と血圧は変化しているんです。

所さんのポイント
血圧は、姿勢でも、1日の中でも、変化するものなのだ!

 なんとか血圧を下げる方法はないのかと思いついたのが献血血液の量を減らせば血圧が下がるのでは?と矢野さんは考え、献血センターに向かいました。しかし矢野さんは血管が細くて献血ができません。代わりにカメラマンさんが献血をして血圧を測定。しかし結果は献血前、111・71、献血後118・66とそんなに変化がなかったのです。そもそも献血する血液の量というのは全血液の10%弱の400ml。全血液の15%くらいまでなら血液が減っても血圧に影響は出ないようになっているのです。

 血圧を下げることに失敗した矢野さんは、無謀にも血圧を上げることに挑戦。まずは寒さ。マイナス10度の冷蔵室に入って血圧を測定すると、なんと175・117にまで血圧は上昇。これは毛細血管が冷たさで収縮して血圧を押し上げてしまったからなんです。今度は力んでみます。25kgの重りを片手で持ち上げると、なんと196・120に上がりました。  いろんな姿勢で血圧を測ったとき一番高かったのがしゃがんだ時でした。寒い、力む、しゃがむは高血圧には大敵なのです。

所さんのポイント
寒さ、力み、しゃがむの三拍子が揃ったのが冬の和式トイレ。高血圧の方は気をつけましょう!

 話はがらっと変わって、動物の血圧はいったいどのくらいなのでしょう?さっそく測定開始。イヌに始まり、ブタ、ラクダ、ワラビーなどのほ乳類は、ヒトに近い値でした。しかしガチョウやウコッケイなどの鳥類はやや高血圧気味でした。鳥類は体の大きさの割に心臓が大きいからなのです。

キリン  そして本日のメインイベント、キリン。あんなに長い首を通って頭に血液を送るにはかなりの血圧が必要なはず!しかし測定しようとしたところ、キリンが暴れ出したためあえなく断念。そこで、大学の先生にキリンの血圧について聞いてみました。キリンの血圧は心臓に近い位置で上が260という超高血圧。しかし首のところでは150と人間並みなのです。
 実はキリンには脳と頚動脈(けいどうみゃく)の血管を結ぶ中心にワンダーネットという、細かい血管が網状になった器官があるのです。このワンダーネットが急激な血圧の変化を吸収してくれるのです。

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