知識の宝庫!目がテン!ライブラリー




 苦さが利く!?ゴーヤー  #599 (2001/09/23) 

 NHK朝のドラマ「ちゅらさん」の影響もあってか、今沖縄がブーム。その沖縄の名産ゴーヤーも大ブームになっています。表面がイボイボで苦さが特徴のゴーヤー。しかし今年になってから研究が始まったばかりで、その正体はまだまだナゾらしいのです。

完熟ゴーヤー     ならば私が調べましょうと矢野さんは、沖縄に飛びました。向かったのはゴーヤー栽培農家。すると、ゴーヤーはツル性の植物で、結構背たけが有ったんです。ゴーヤーはウリ科の植物でキュウリに近いものなのです。ゴーヤーの実を割って中を見てみると、白いわたとタネがほとんど。この部分は食べません。私達が食べているのは、イボイボの有る表皮の部分だけだったのです。
 さらに矢野さんは何やら黄色い物体を発見しました。なんとこれは完熟したゴーヤーだったのです。矢野さん、早速、完熟ゴーヤーを食べてみました。すると苦くもないけれど、味もないのです。決して美味しいものではないので、完熟ゴーヤーは食べられないのです。この点もキュウリと似ています。

所さんのポイント
我々が食べているゴーヤーは、熟してないゴーヤーだった!

ゴーヤーの匂いをかぐサル  ヒト以外の動物はゴーヤーを食べるのでしょうか?ウサギ、サルに与えてみましたが、全く食べません。それなら昆虫ならどうかと、野菜の害虫、ハスモンヨトウの幼虫に与えてみましたが、こちらもゴーヤーは全く食べませんでした
 虫も食べないゴーヤーの苦みの正体は、ククルビタシンの配糖体という物質です。この苦み成分は皮の部分に多く含まれていました。ゴーヤーの苦さは、外敵から身を守るためのものだったのです。

 ゴーヤーの苦さは役に立つのでしょうか?そこで、普通だと大の大人が2人がかりでやっと引ける4トントラックをゴーヤーの力を借りて引っ張ってみようという実験をしました。挑戦するのはやせっぽちのAD君。まずは普通の状態。さすがにトラックは動きません。今度は大量のゴーヤーを食べてすぐ、トラックを引いてみました。するとトラックは動き出したのです!
 なぜトラックは動いたのでしょう?実は7月に放送した「カレー」の回の実験と同じ理屈。激しい辛さでも、苦みでも、それが刺激物として脳に伝わると、中枢神経が刺激され、アドレナリンが分泌され、いつもより大きな力が出るのです。苦ければなんでもよかったのです。

 「良薬は口に苦し」!?ゴーヤーは血糖値を下げると雑誌でも盛んに取り上げられています。本当でしょうか?そこで実験です。4人の人にまずは、ブドウ糖溶液を100グラム飲んでもらいました。すると通常の状態での血糖値は平均約94だったのが、ブトウ糖溶液を飲むと、30分後の血糖値は200を超えました。次にゴーヤージュースとブドウ糖溶液を飲んで血糖値を測定してみると、30分後血糖値は約145とかなり低い値になりました。ゴーヤーには血糖値の上昇を押さえる働きが有ったのです!

 しかしこれは本当にゴーヤーの苦さのお陰なのでしょうか?そこで今度はゴーヤーの苦み成分だけの溶液ととブドウ糖溶液を飲んでみました、すると30分後の血糖値は約190とブドウ糖溶液だけを飲んだ時とあまり変わらない数値になりました。苦み成分が血糖値の上昇を押さえたわけではなかったのです。
 ゴーヤーに含まれる栄養分の中で最も多く含まれるのはビタミンC。ほかのウリ科の植物の5倍以上も有りました。最近の研究では、ビタミンCには、血糖値を下げるインシュリンを活性化する効果が有るらしいことがわかってきました。どうやらビタミンCの方が、血糖値を下げるのに役立っているようです。

所さんのポイント
ゴーヤーが健康食なのは、ビタミンCが豊富なため。レモンより多いのだ!


食べ物編へ植物編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧