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モミ の木で本格ツリー
第759回 2004年12月5日


 クリスマスツリーと言えばモミの木。実はモミは、普段私たちの身の回りでもよく使われている日本人の生活に欠かせない木だったのです。今回は知られざるモミの正体に、「トナカイ」の回以来7年振りに登場した矢野サンタが迫りました。

 モミはマツ科モミ属の常緑針葉樹です。冬の間でも緑を保つことから「永遠の命」のシンボルとされてきました。しかし、クリスマスに飾られる鉢植えのモミの木には、トウヒイチイヒマラヤスギなどの代用品があったのです。
 では、どうやって見分ければ良いのでしょう?一番の見分け方は、葉の先を見ること。他の代用品とは違いモミは、葉先が2つに分かれているのです。また葉の裏が白いのもモミの特徴。
 さらにトウヒに重いクリスマス飾りをつけてみると、枝がしなり飾りが落ちてしまいましたが、モミに同じ物をつけてみても飾りは落ちませんでした。それは、モミの横枝はトウヒより太く上向きに反っているから。だからモミの木はクリスマスの飾り付けがしやすいのです。

 モミは本来、水はけの良い高地の斜面や尾根筋などに育ちます。成長すると高さは40メートル以上、幹の直径は1メートル以上にもなるのです。よく山肌から頭一つ飛び出しているのが、モミの木なのです。
 なんとモミには、マツボックリならぬ“モミボックリ”がなるというのです。俗にマツボックリと呼ばれるのはマツの球果、つまり実です。モミもマツの仲間。しかし、このモミの球果“モミボックリ”は、マツボックリと違い、なかなか手に入れることに出来ない珍しいものなのだそうです。しかも、樹齢が4,50年たったモミの木の、20メートル以上の高い枝にしか実らないというのです。
モミボックリとマツボックリ  そこで矢野サンタは、わざわざ高所作業車に乗ってモミボックリの採取へ向かいました。そして、ついに発見!大きさおよそ11センチ、マツボックリの倍以上の大きさです。また、種の数もアカマツの6倍以上もありました。
 実はモミの球果は、乾燥させておくと約1週間でカサが開ききってしまい、ちょっと振動しただけでも種子がついた鱗片(りんぺん)は樹上でバラバラに崩れてしまうのです。それで、モミボックリは殆ど地上で見かけられないのです。

所さんのポイント
ポイント1
モミの球果“モミボックリ”は、マツボックリより大きく種子の数も多いが、樹上で崩れてしまう貴重なものだった!

 実はモミは我々日本人の冠婚葬祭に欠かせないものなのです。神社にある絵馬や婚約の結納台、お墓の卒塔婆棺桶にまでモミが使われています。
 その理由は、モミの木の内部が他の木に比べて白いから。ほとんどの木は、幹の中心に心材と呼ばれる色の濃い部分があります。これは幹の中心の死んだ細胞を腐らせないように、抗菌成分が送りこまれ色が変わったものだそうです。しかし、モミの木にはこの抗菌成分が少なく色の濃い心材部分がほとんどありません。だからモミの木の内部は白いのです。
 一方で、抗菌成分が少ないということは、その分モミは早く腐りやすくもあるということ。つまりモミは、木の内部の色が白く清らかに見えるという性質と、早く腐って土に返るという性質があるので様々なものに使われていたのです。

所さんのポイント
ポイント2
モミには木の内部が白いという性質と、すぐに腐ってしまうという性質があるので、私たちの生活に欠かせない木なのだ!

 本場の欧米のクリスマスツリーは、日本の鉢植えと違い、モミの根を切ってそのまま飾ります。しかしクリスマスの前後2ヶ月は水もやらないのに、モミの木は枯れないというのです。
モミだけ元気  そこでこんな実験。同じ針葉樹のスギとヒノキとモミでミニツリーを作って乾燥耐久対決をしてみました。湿度0%の特殊装置の中に入れ、根元はもちろん、空気中からも水分を与えません。すると48時間でスギとヒノキはしおれてしまったのですが、モミの木は全く変化なし。まだまだ元気でみずみずしさを保っていました。
 その理由は、モミの葉の表面にはワックスが含まれている厚いクチクラ層が有り、葉から水分が逃げるのを防いでいるからなのです。モミはみずみずしさを保つ能力が高く長持ちするのでクリスマスツリーに適しているのです。



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