知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


発見!30年前の ジャム
第781回 2005年5月15日


 最近、TVや雑誌で話題になっているコンフィチュール。実は、このコンフィチュールとはフランス語でジャムのこと。今、ジャムがちょっとしたブーム。そして、われらが所さんもジャムは大好きなのです。

 皆さんのご家庭でも、一度は手作りジャムに挑戦した事があるのではないでしょうか?番組でも、佐藤アナと主婦2名がイチゴジャム作りに挑戦しました。
 しかし、3人揃って失敗。一番ひどかった佐藤アナは、なかなか固まらないので煮込みすぎてしまい、鍋の底が真っ黒になってしまったほど。
 実は、ジャムは煮込んで固めるのではなく、ゲル化というドロッとした状態を科学的に作りだしていたのです。このゲル化という状態を作り出すためには、いくつかの条件を満たす必要があります。それが、ペクチン・糖・酸という3つの要素。ちなみにペクチンとは、ほとんどの陸上植物に含まれる多糖類の一種です。
 ジャムがゲル化するためには、1%以上のペクチンと60〜65%程度の糖(完成時)とpH2.9〜3.4になる程度の酸という微妙な条件が必要なのです。佐藤アナのジャムは、どの条件も満たしていなかったので全然固まらず、どんどん煮詰まってしまったのです。
 一方ジャムの専門家は、ペクチンを含んだリンゴの煮汁とクエン酸を含んだレモン汁を加えて、ゲル化の条件を揃え、わずか15分の早技でイチゴジャムを作ってしまいました

所さんのポイント
ポイント1
ジャムは煮込んで固めているのではなく、ペクチンと糖と酸で科学的にゲル化という状態を作りだしていたのだ!

 ジャム以外にもう一つ所さんが大好きなものといえばあんこ。そういえば、あんこもジャムと同じように、アズキに砂糖を加え煮込んで作りますよね。ということは、あんこもジャムなのでしょうか?しかし調べてみると、あんこはゲル化していなかったので、ジャムではありませんでした
アズキジャム  そこで「目がテン!」では、本格的な製法でアズキジャム作りに挑戦。まずアズキのペクチン量を調べてみると、なんとアズキには大量のペクチンが含まれていました。この点、アズキはジャムにむいていたのです。さらに、ゲル化に適した酸性にするために大量のレモン汁を加えて煮込んでいき、目がテン特製アズキジャムが完成。
 スタジオで、このアズキジャムをパンの中に入れた「あんぱん」ならぬ「アズキジャムぱん」を所さんに食べて頂いたところ大絶賛!「どうして今までなかったんだろう?」と大満足でした。

 実は、ジャムはもともと保存食だったそうなのです。確かに果物を使用しているのに、開封しなければ賞味期限も1〜2年と意外と長いですよね。しかし、なぜ果物が原料なのにジャムは腐らないのでしょう?
 その理由は、水分活性が低いからとのこと。水分活性とは、微生物が繁殖に利用できる水分がどれだけあるかという意味で、実は砂糖がたっぷり入っているジャムは、中で水分と糖が結び付いていて、これだと微生物は繁殖に利用できないのです。
 さらに、ジャムが入っている分厚いガラス瓶も保存性を高める役割があります。一般的にジャムをガラス瓶に詰めるときには、ジャムを入れた後で瓶の内部を水蒸気で満たし、その後温度を下げて水蒸気を液体に戻すことで、瓶の中を減圧状態にしています。そうすると、細菌が繁殖するのに必要な酸素が少ない状態になるので、長期間保存が可能になるのです。よくジャムの瓶のフタがへこんでいるのは未開封の証拠なのです。
28年前のジャム  ジャムは長期保存できる…ということで目がテン!スタッフが、なんと開封されていない10年前の外国産のジャムと28年前の何ジャムすらわからないジャムを見つけてきました。実際に10年前のジャムを食品研究機関で調べてもらったところ、本当に細菌類は全く発生しておらず安全だとのこと。ところが28年前のジャムの方は、手元に現物が1個しかなかったので試食前に検査できませんでした。
 なんと、その検査していない28年前のジャムを所さんが初開封し、試食してしまいました。すると「全然、平気!」とのこと。やはりジャムは優れた保存食だったのです。

所さんのポイント
ポイント2
28年前のジャムも腐っていなかった!
未開封のジャムは長期保存が可能なのだ!



【手作りジャムのレシピ】  イチゴジャム  アズキジャム  コップテスト&保存方法




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