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韓国 SP! 黄金の洞窟
第841回 2006年7月23日


 毎年恒例の、所さんの目がテン!夏休み海外スペシャル。今年の舞台は、韓国!第1弾は矢野さんが、韓国グルメの王様「キムチ」の奥深さを、様々な角度から科学しました。
 そして今回は、佐藤アナが通称「韓国のハワイ」と呼ばれている南の島、済州島を訪れました。一見、リゾートのイメージが強いこの島なのですが、実は、不思議な自然が沢山見られる神秘の島だったのです。

 目がテン海外スペシャルと言えば、恒例なのが高い山に登ること。実は、韓国で一番高い山は、ここ済州島にあるのです。というわけで今回は、必然的に佐藤アナが挑戦することに。済州島のほぼ中央にそびえる、ハンラ山が韓国で一番高い山で、標高は、1950メートルあります。
 佐藤アナは早朝5時に出発し、悪天候のなか、登ること約5時間。やっと頂上付近のゴールに到着しました。しかし残念なことに、霧のため何も見えなかったのです。残念。
 実は晴れていれば、ハンラ山の頂上の池になっている噴火口が見えたそうなのです。噴火口ということは、そうハンラ山は火山だったです。しかし、韓国本土には火山がないのに、どうして済州島には火山があるのでしょう?その秘密は、火山のでき方にありました。
 日本のように、大陸のプレートがぶつかり合う場所の近くでは、その衝撃で多くの火山が生まれ、火山帯ができます。一方、地球上にはプレートには関係なく、元々マグマが吹き出しやすい場所があるのです。そうした場所をホットスポットと呼びます。実は、済州島はホットスポットの一つ。そのため、済州島には韓国本土にはない火山があり、さらに済州島自体も火山で出来た島だったのです。

所さんのポイント
ポイント1
リゾートのイメージが強い済州島は、実は火山島だった。世界にあるホットスポットの一つなので、韓国本土にはない火山があるのだ!

 山登りの次の日、佐藤アナが向かったのは、島の東にあるイルチュルボンという場所。さっそく頂上に登ってみたのですが、またしても霧の中のため何も見えなかったのです。実は、この場所は世界でも珍しい「海に突き出た噴火口」。しかし、なぜこんな珍しい物ができたのでしょうか?
 それは先ほども紹介したように、済州島は火山島。さらに、他の場所に比べて岩盤が柔らかいため、マグマが色んな所から吹き出し、小さな火山がいくつもできるのです。こうしてできた火山を「寄生火山」と言います。
日出峰の空撮  実は、済州島は寄生火山が多いことでも有名。小さな島なのに、全部で360以上もあるのです。その中で、たまたま浅い海のそばにできたものが、このイルチュルボン。イルチュルボンとは日出峰と書き、晴れていると素晴らしい日の出をみることができるのでそのような名前がつけられたのです。

 雨続きで何も見られないこんな私でも、大丈夫な場所があると聞いてやってきたのが「狭才・双竜窟」という洞くつ。なんとこの洞くつは、内部が黄金色に輝いているのです。
 そもそもこの洞くつは溶岩洞くつと言って、火山が噴火したときに、溶岩の周りが先に冷やされて固まり、まだ熱い中の部分が流れていって空洞になったものなのです。しかし、この溶岩洞くつは日本にもありますが、その中は溶岩と同じ黒色。では、なぜこの洞くつは黄金色なのでしょうか?
黄金の洞窟  実は、済州島の溶岩洞くつは海のそばにあったために、砂浜から風で飛んできた貝や砂が堆積し、そこに雨が降ったことで貝や砂の石灰分が溶け出し洞くつの中にしみ出してきたのです。それによって、黒色の溶岩に白い石灰分が溶け出し、それに光があたると黄金色に見えるということなのです。

 海産物が豊富なことで有名な済州島ですが、実はこのことにも、火山が関係していました。済州島の海岸には、溶岩がたくさんあります。実は、溶岩の小さな穴にはプランクトンの死がいなどがたまりやすく、海藻が生えやすいのです。そして海藻が多くなると、それを食べる貝やウニなどの生物が棲みやすくなり、その結果、海産物が豊富な環境になるのです。そのため、今でも5000人の海女さんが潜って海産物を獲っています
 そこで、本当にそんなに海産物が豊富なのか、私、佐藤も海女体験。耳が痛くなりながらも、たくさんのウニを獲ることができました。

所さんのポイント
ポイント2
済州島は火山島だからこそ、神秘的な自然のスポットもたくさんあり、海産物も豊富に獲れるのだ!




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