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世界最小打ち上げ 花火
第843回 2006年8月6日


 日本の夏と言えば、何と言っても花火!世界広しと言えども、ただ見物するためだけに花火大会が開かれるのは日本だけなのです。しかも日本では、花火大会が一年間で約5800回も開かれているのだとか。そこで今回は、世界で一番美しいと言われる日本の花火に迫りました。

1cm花火  花火の魅力と言えば何と言っても、夜空に咲く大輪の花。ところが今回の目がテンは、なんと直径1cmの世界最小の花火作りに命をかけた科学者・松永先生にスポットを当てます。果たして、世界最小の1cm花火は完成するのでしょうか?

 実は、世界最小1cmの花火には、3つの大きな難題がありました。
 1つめの難題は、「うまく花が咲かない」ということ。当初1cm花火は、普通の打ち上げ花火のように、うまく花が咲かなかったのです。
 そもそも花火の玉の中には、2種類の火薬が入っています。一つは割り薬(わりやく)といって、空中で玉自体を割るための火薬。もう一つは、星(ほし)と言って、燃えながら飛び散ることで花火の花になる火薬です。
 つまり花火は、この2つの火薬の連携によって、きれいな花を咲かせているということなのです。しかし世界最小1cm花火は、「割り薬」と「星」の配分が難しく、割り薬が多すぎて花が咲かない状態が続いたのです。しかし、研究すること1年、やっと2つの火薬をうまく調節することが可能になりました。

所さんのポイント
ポイント1
花火の玉の中には、2種類の火薬が入っている!
玉自体を割るための「割り薬」という火薬と、燃えながら飛び散る「星」という火薬なのだ!


 1cm花火の2つめの難題は、「色がつかない」ということ。しかし、そもそも花火の色って一体どうやって付けているのでしょう?実は、その秘密をとく鍵が、江戸時代の花火に隠されていると言うのです。
江戸時代の花火  そこで今回、忠実に江戸時代の花火を再現してもらいました。すると、なんと打ち上がった花火の色は、オレンジ色一色だったのです。一体これは、どういうことでしょう?
 実は、江戸時代の花火というのはまだ1色だったのです。その後、明治時代になり、火薬に金属をまぜて色をつける技術が発達しました。実は、金属には燃えるとそれぞれ固有の色を示す性質があって、花火はそれを利用していると言うわけだったのです。
 実は、世界最小の花火作りでは、その金属の微妙な配分で苦労し色がなかなかつかなかったのです。がしかし、これも試行錯誤の末、うまく色をつけることに成功しました。

 そして、1cm花火の最後の難題が「思った高さに上がらない」です。今回、1cm花火の目標の高さは、1m20cm。しかし、うまく上に飛ばなかったり、高く飛びすぎたりとなかなかうまく打ち上がりません。
 そもそも、花火の玉を一定の高さに上げるために鍵となるのは、打ち上げるための火薬。通常の花火の玉に必要な火薬の量から、計算と実験で今回、必要な火薬の量を割り出すことにしました。
 そして、この世界最小1cm花火が完成したかどうかは、目がテンのスタジオで試すことになりました!果たして、狙い通りの高さで、うまく花が開くのでしょうか?
 所さんも見守る中、松永先生が点火し打ち上げたところ、見事大成功!世界最小の打ち上げ花火が、ここに誕生したのです!

所さんのポイント
ポイント2
ついに世界最小の1cm花火が完成!
もしかすると、家の中で花火が打ち上げられるようになる日も近い!?





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