知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


食後に 甘柿 (秘)口臭封じ
第958回 2008年11月9日


 平安時代から文献に登場し、たくさんの俳句にも詠まれてきた、!今回は日本の秋の風物詩、カキの秘密に迫ります。

 古くから日本人に親しまれてきた柿は、現在どのくらい人気があるのでしょう?街行く人に聞いてみると、なんと果物の中で最下位!しかも、30代以下では「柿が好き」という人は、0人という有様。実は、代表的な品種である「富有」「次郎」の出荷量は、年々減る一方で、最盛期に比べて半分以下になっているのです。カキは糖度15.8度もある、とても甘い果物なのに、なぜ、人気がないのでしょう?嫌いだという人に理由を尋ねてみると、1.「皮が剥きにくい」 2.「黒い斑点が気持ち悪い」 3.「酸味がない」というトップ3が挙げられました。まずは1位の「皮が剥きにくい」を検証するため、ベテラン主婦3人に新米主婦の佐藤アナも加わり、リンゴ・ナシ・カキをそれぞれ3個ずつ剥いてタイムを比べてみました。すると、リンゴ3個が剥き終わる平均は2分11秒。ナシもリンゴとほぼ同じタイムでした。しかし、カキ3個の平均タイムは2分38秒で、リンゴ・ナシに比べると25秒以上も遅かったのです。主婦に聞くと、皮が硬いから剥きにくかったそうです。ヘタの切除と育ち具合そこで、カキの皮の硬度を測定してみると、リンゴとナシに比べて2倍以上も硬かったのです。さらに皮の表面を顕微鏡で見てみると、リンゴやナシには「気孔」と言う果物が呼吸をする穴がありますが、カキの皮には気孔がほとんどありません。実は、気孔がなく、細胞密度の高い皮に覆われたカキは、なんとヘタで呼吸をしているのです。では、カキの実が大きく育つ前に、呼吸に必要なヘタを4分の1ずつ取ってしまったら実がどうなるのでしょうか。すると、ヘタを切除すればするほど、実が小さくなっていきました。つまりカキの実が育つために、大きなヘタは重要な役目を果たしているのです。

 さて、嫌いな理由の第2位、カキの果肉についている黒い斑点は一体何なのでしょう?それを探るべく、矢野さんが千葉の農家を訪れました。早速、収穫したばかりの黒い斑点もなく美味しそうなカキを食べさせてもらうと…思わず悲鳴をあげてしまうほどの強烈な渋み!実は、渋柿だけでなく、お店に売る用に畑で栽培されているカキも、もともと渋いものだったのです。カキの渋みの正体は、お茶にも含まれている渋味成分のタンニン。カキのタンニンは水溶性なので、口の中に入れると、唾液などで溶け出し強烈な渋みとなって味覚を襲うのです。では、店頭に並んでいるカキはなぜ甘いのでしょう?その秘密は、種に隠されていました。実は、カキは種が出来るとその周囲に黒い斑点ができて甘くなるのです。カキの果肉が黒くなるのは、種から出たホルモンが、アセトアルデヒドの生成を促進させ、それがタンニンと結びついて黒い物質に変わるからなのです。試しに、カキから抽出した液状のタンニンに、このアセトアルデヒドを加えると、タンニンが黒く固まりました。そしてこの固まったタンニンは水に溶けません。だから口に入れてもタンニンが溶け出すことがなく、カキの甘さだけ味わえるのです。つまり、カキの果肉は、黒ければ黒いほど甘いということなのです。この農家では、樹上脱渋といって、木になっている状態のカキを、固形アルコールを入れた袋で覆い、酸素不足状態にしてストレスを与え、アセトアルデヒドを生成させています。その他、人工的に渋みを抜くために、収穫後のカキにシートをかぶせ、二酸化炭素を注入して酸欠状態にする方法もとられています。

所さんのポイント
ポイント1
カキが嫌われる原因の「黒い斑点」は、渋み成分のタンニンが固まったもの。つまり、カキの果肉は黒ければ黒いほど甘いのだ!

 そして、嫌いな理由第3位は、「酸味がない」。実は通常の果物は、果実の成長と共に酸を蓄積することで、種ができるまで動物に実を食べられないようにしていると考えられています。しかし、カキの場合、ほとんど酸は蓄積されないので、渋味成分のタンニンが、酸の代わりをして種を守っているのです。
 ところで、果物と言えば、食後に食べることが多いですよね。そこで、リンゴ・ナシ・カキの内、どのデザートが相応しいのか、「食後の恋人選手権」を開催!まずは、ほぼ同じ年齢の男性3人に餃子を食べてもらった後に、それぞれの果物を200gずつ食べてもらいます。30分後、チビッコ達がその口臭を嗅いで判定します。するとリンゴとナシを食べた人の口臭は、「すごく臭い!」と反応し、効果はありませんでした。「柿ガム」しかし、カキを食べた人の口臭には、全員が「何にもニオイがしない!」と驚きの様子。実は、カキのタンニンによる消臭効果はお茶の約7倍!カキは、臭いが気になる物を食べた後に最適な果物だったのです。スタジオで臭い生ゴミを入れた袋に、摺りおろしたカキを入れて混ぜ合わせ、所さんに嗅いでもらうと、匂いがすっかり消えてしまいビックリ!そこで、カキの口臭防止効果を手軽に味わうために、食後のエチケット「柿ガム」を作ってみました!しかし、試食した所さんは、「甘いけどニオイがしない」と微妙な感想。実は、カキは匂いがほとんどないので、風味を出すのが難しいのです。だから、お菓子やドリンク類に「柿味」というのがほとんどないんですね。

所さんのポイント
ポイント2
カキが持つタンニンには、強い消臭効果があり、臭いが気になる食べ物を食べた後には最適なデザートなのだ!




植物編へ食べ物編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧