知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


秘境で幻の ミニ象 発見
第998回 2009年8月15日


 赤道直下の熱帯、ボルネオ島での夏休み海外特集第2弾。先週のオランウータンに続き、今回は熱帯雨林の川のそばで暮らす動物達を科学します。

 ボルネオ島北東部を流れる野生動物の宝庫・キナバタンガン川流域の調査クルーズに出発した佐藤アナ。朝もやに包まれた川沿いを進むと、世界でもボルネオだけにしかいないというテングザルを発見!テングザル(ボルネオ島固有種)その名の通り長い鼻を持っていますが、鼻の大きさが一頭一頭違う事に気付きました。そこで、天狗のお面を改造した、鼻が大きいお面と小さいお面を用意。まずは鼻の小さいお面を木の上にいるテングザルたちに近づけると…テングザルたちはほぼ無反応。しかし、鼻が大きいお面を近づけると、テングザルたちは激しく鳴きはじめたり、木を揺らしたりと大騒ぎ!実は、これらはテングザルの威嚇行為。テングザルは鼻の一番大きなオスのボスザルを筆頭に、数頭のメスとその子ザルで群れを形成しているため、大きな鼻のお面を見て、他の群れのボスと勘違いして激しく威嚇したと考えられるのです。
 
 ところで、テングザルは、なぜか川沿い50mくらいの範囲にしか生息していません。その理由は、主食としているトウダイグサ科の植物が川沿いに多く生えているからだとか。その葉を佐藤アナがかじってみると、とても苦くて食べられたものではありませんでした。実はこの葉っぱ、大量に食べるとヒトやサルの消化機能に障害を引き起こす、タンニンなどの有害な物質が含まれているのです。しかし、テングザルの大きなお腹には、胃が4つもあり、最初の胃にいる微生物が、葉の有害な物質を解毒してくれるのです。テングザルは他の動物が食べない毒のある葉をエサにすることで生き残ってきたのです。さらに、サルは一般的には泳げませんが、テングザルは犬かきで泳げるので、敵に襲われた時、川に飛び込んで逃げることができます。これも川沿いで生活する理由の一つではないかと考えられています。

所さんのポイント
ポイント1
テングザルは、解毒作用のある胃を持つため、他の動物が食べない毒のある葉をエサにして生き残ってきたのだ!

 さらに川沿いを進むと、今度は体長が2mほどもある巨大なミズオオトカゲを発見!とにかくなんでも食べるというので、日本で人に飼われているミズオオトカゲで確かめてみることに。鶏肉、川魚のアユ、硬い殻に包まれた毛ガニを用意し与えてみると…どれもあっさりたいらげてしまいました。実はミズオオトカゲは「森の掃除屋さん」と呼ばれ、川の周辺で動物たちの死骸を食べる役割を担っていたんです。
近付いてきたボルネオゾウ  さらにもっと大きな動物が見たい!と森を探検していると、巨大な足跡やフンを発見!すると、なんと目の前に小さなゾウが現れました。最初は興奮したゾウたちの威嚇手段により前後を挟まれてしまいましたが、静かに待つと落ち着き、やがて周辺に生えるイネ科の植物を食べに近づいてきてくれました。このボルネオゾウは、アジアゾウの一種ですが、身体が1トン程度と小さいのが特徴。現在世界でもボルネオだけに約1000頭しか生息していない、まさに幻のゾウなのです。彼らが川沿いの森だけに生息しているのは、熱帯雨林のジャングルよりも木々が低く、光が当たって水分も豊富なため、エサとなる低い草がたくさん生えているから。しかし今、大切なエサ場であるこの森に、深刻な異変が起きているのだそうです。

 そこで案内してもらったのは、問題となっている、パーム油を作るアブラヤシ農園。パーム油は、インスタント麺やスナック菓子などに広く使われ、我々日本人は一人あたり年間およそ4リットルも使っています。採った油を船で出荷するのに便利な川沿いでは、農園が開発され続けてきました。しかし、この開発により森が伐採され、周囲の電気柵が森を分断しているので、ゾウなどの動物は川沿いを移動出来ません。その結果、エサが減り多くの動物が激減してしまったのです。そこで、この問題を解決しようと、日本人の寄付金で川沿いの土地を買い取り、開発から守ることで、元の森を取り戻そうという計画がすでに始まっているそうです。
 さて、高級食材、ツバメの巣を採っている場所がボルネオにあるということで、早速行ってみると、そこは岩だらけの過酷な洞窟。ボルネオ島は、石灰岩の大地が多く、雨水で侵食されてできた洞窟が無数にあるのです。洞窟からはツバメではなく、夜の森へエサを食べに無数のコウモリが飛び出てきました。その後、洞窟に入ってみると、なんとそこには洞窟内に溜まる数百万頭分のコウモリの糞をエサとする、おびただしい数のゴキブリが!そして、佐藤アナは恐怖と戦いながらようやくツバメの巣を発見!巣を作るのは、アナツバメという全身真っ黒なツバメ。ツバメの巣は海藻から作られていると思われがちですが、この洞窟は、海からおよそ20kmも離れた場所にあるため海藻を運ぶのは無理。実は、アナツバメは岩の壁に接着効果の高い唾液を大量に分泌し巣を作っていたのです。アナツバメは首を左右に振りながら唾液を吐き、その動きのまま巣が固まっていくので、繊維ができ、まるで海藻のような食感になるそうです。

所さんのポイント
ポイント2
中華の高級食材としてお馴染みのツバメの巣は、海藻ではなく、アナツバメの唾液で作られていたのだ!




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