知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


牛つめ切り&雪メロン
第999回 2009年8月22日


 いよいよ次回で放送1000回を迎える所さんの目がテン!お祝いのケーキに必要な材料を一から作るために立ち上げた北海道の目がテン牧場。砂糖、卵、小麦粉を手に入れ、バターの原料となるミルクを出してくれる牛、白元と黒元も順調に成長中。しかし、このままでは地味なケーキになってしまうので、メロンを育て豪華にデコレーションすることに!

削蹄前後のツメ比較  春を迎える前に、白元と黒元はやっておかなければならないことがあると言います。それは、ツメ切り。実は、ウシたちは冬の間、雪のおかげで牛舎から出られず、歩く機会が減るため、蹄が伸びてしまうのです。ツメ切りをしてやらないと、とんでもない方向に伸びてしまうだけではなく、ウシは蹄を開閉して歩くため、蹄が伸びると、うまく歩けなくなることもあるのだそうです。早速、専門の業者にお願いし、2頭のツメを小さなノミとトンカチで大胆にカット!見た目もスッキリ、これで一安心です。

 さて、ケーキを飾るメロン作りを開始したのは雪どけ前の今年3月。メロン作りのプロ、山本さんに協力してもらい、まずは苗作りからスタート。メロンの種子を苗箱に植えてから10日後、可愛い双葉が芽を出しました。そして、北海道でのメロン作りに絶対必要なのが、ビニールハウス。そもそも高温の乾燥地帯が原産のメロンは寒さが大の苦手!矢野さんはすかさず立派なビニールハウスを完成させました。ところが、地面の温度が20℃以上ないとメロンの苗は植え替えができないのだそうです。そこで、地温を上げるためにハウス内の地面にビニールを張り、地熱を閉じ込めます。すると、次第に地温は上がり2週間で20℃を越えました。そして4月下旬、成長した苗を植え替え、さらにシートで覆い寒さをシャットアウト。このまま室温を25℃に保ちながら育てていけばいいそうです。
 ところが、なんと翌日、季節はずれの雪が降り、ビニールハウス内の温度はわずか7℃に!苗もすっかり元気がなくなっています。そこで、慌ててヒーターを設置し、室温を上げ、以降は24時間体勢で温度管理を行うことに。寒さに弱く、温度管理の大変なメロンをなぜ北海道で?という疑問がわきますが、実は、北海道は過剰な水分を嫌うメロンにとって最適の低湿度で、メロンの実がつく夏は、昼と夜の寒暖の差が大きいので甘く美味しいメロンが育つのです。

所さんのポイント
ポイント1
メロンは寒さが苦手だが、湿度が低く、夏場の昼と夜の温度差が大きい北海道は、甘いメロン作りに適しているのだ!

 そして種子まきから1ヵ月半…山本さんのハウスを訪れてみると、「脇芽」という、茎と茎の間に生えてくる新芽を取っていました。この脇芽を取らないとメロンが上手く育たないというのです。そこで、試しに1本の苗を、脇芽を取らずに置いておくと…なんと取らない苗の方が取った苗よりも元気に成長したのです。この結果を山本さんに見てもらうと、これではメロンが付かないと言われてしまいました。実は脇芽を取らないと、生い茂った他の葉に栄養が分散してしまいます。さらに脇芽を取ることで1本の茎に集中して栄養を送ることができ、より大きなメロンの実が付くのです。
 そして、脇芽取りを終えた株はさらに成長してきたので、ポールを立てて1本1本紐でツルを上に導いてやります。さらに日がたつと、ついにメロンは花をつけました。雌花の下にある子房が膨らむとメロンになります。そして6月中旬、山本さんの手配で3000匹のミツバチがハウス内に放たれ、雄花から雌花への受粉を行いました。人間が手で行うよりハチを使う方が一気に効率よく受粉できるのだそうです。 そして1週間後、子房が膨らみ直径10cmほどになってきたので、実が地面について傷まないようにフックで吊るしました。
 7月上旬、ハウスを訪れた山本さんは、たくさん成った小さなメロンの実を次々と摘んでいきました。実は、これは「摘果」(てきか)といい、1本のツルに2つの実だけを残して十分に栄養を送れる状態にする作業なのです。小さな実がもったいないと思いきや、農家では摘んだ実を漬物にして食べるのだそうです。
 摘果を終えた実は見る見る大きくなり、10日後には15cm程度の大きさになりました。ところがある日、全てのメロンの表面にヒビが入っていたのです!しかし、山本さんによると、このヒビはメロンが順調に育っている証拠だと言います。メロンはこの時期、急激に膨らむので、成長が追いつかず表皮が裂けます。その傷口をふさぐかさぶたが、お馴染みの網目模様、ネットなのです。水を適度に与えこのネットが全面に張ったメロンは甘くて美味しいそうです。

所さんのポイント
ポイント2
メロン表面の網目はネットと呼ばれ、実が成長し急激に膨らんだ時に、裂けた表皮を保護するかさぶたなのだ!

牧場のメロン(1000の文字)  試しにメロンに1000の文字を彫り、後は水を調整しながら育てていきました。所さんも中継で、間もなく食べ頃を迎えるメロンの様子を見て一安心の様子。

 さて、いよいよ次回は1000回SPを迎えます!一体どんなケーキが登場するのでしょうか?



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