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カラオケで高音出す技
第1020回 2010年2月6日


 日本人の3人に1人が好きという一大レジャー、カラオケ。100人のお客さんにアンケートを取った結果、次々と共通の疑問が出てきました。そこで今回は、気になる疑問を解決すべく、科学の力で徹底検証します!

カラオケの疑問① 「高音が出ない!」
 高い声で上手く唄いたい!というのは多くの人の願い。そこで、男女4名にそれぞれ難しい高音のパートがある曲に挑戦してもらったところ、全員が高音部分を上手く歌えませんでした。ところが、ヨガ教室に高音を出せる方がいると聞き、早速直行!ヨガ歴6年の女性インストラクターに同じ曲を歌ってもらうと、見事に高音が出たのです。さらに他のインストラクターも、高いパートをバッチリ歌えました。実は、声帯はV字型になっていて、声を出さない時は開いていますが、声を出すと閉じ、息が声帯に当たると振動して声が出ます。専門家によると、ヨガをすると腹式呼吸が身につき、横隔膜に力を入れられるので高音が出るそうです。お姫様だっこをして歌う男性「高音が出た!」試しに人口声帯の下に、風船を肺、ゴムの膜を横隔膜に見立てた模型を使い、ゴムを下から押し、お腹に力を入れた状態を再現すると、ゴムを強く押した方が、肺の中の空気が強く押し出され、高い声が出たのです。さらに、お腹に力を入れると声帯にも力が入り、縦方向に引っ張られ、より速く振動し、高い声が出やすくなるのです。でも、カラオケボックスでお腹に力を入れるにはどうしたら良いのでしょう?そこで、先ほどの女性にお姫様に変身してもらい、男性に同じ曲の高音パートの直前にお姫様だっこをしてもらうと、なんと今まで歌えなかった高音が出たのです。そして女性には、室内のテーブルを持ち上げて歌ってもらったところ、見事高音が出ました。あくまでも一時的な対策ですが、持ち上げられる限界に近い重さを目安にするといいそうです。

所さんのポイント
ポイント1
高音を出すには腹式呼吸でお腹に力を入れることが重要!重たいものを持つと、一時的にお腹に力が入るので高い声が出るのだ!

カラオケの疑問② 「息が続かない!」
 長いフレーズってなかなか息が続きませんよね。そこで、矢野さんがプロの声楽家と、「あ〜」と声を何秒出し続けられるか対決!すると矢野さんの9秒に対し、声楽家は23秒も出し続けられたのです。さぞかし声楽家は肺活量が凄いに違いない!と測定してみると…なんと矢野さんよりも声楽家の肺活量は低かったのです。そこで、吐く息の様子が観察できる装置を使い、矢野さんと声楽家の息を比較してみました。すると、矢野さんは声と共に息もたくさん吐いていましたが、声楽家は、大声を長く出しても、息はあまり出ていませんでした。実は、声楽家も腹式呼吸が出来るため、肺に空気を入れた後、横隔膜をゆっくり動かし、少しずつ息を吐くようにコントロールしていたのです。一方矢野さんは、横隔膜をあまり使わない胸式呼吸だったので息を一気に吐き出してしまい、すぐ息が切れてしまったのです。 

カラオケの疑問③ 「声がかれる!」
 歌い続けるとどうしても声がかれますよね。そこで、カラオケ好きの男女2組に、2時間歌い続けてもらいました。1曲交替で12曲歌った2時間後、女性の歌声を比較してみると、2人とも最後の方は少し声がかれてしまいました。さらに全員の声帯も、歌う前には白く異常ありませんでしたが、歌い終わった後は、充血し赤くなっていたのです。そこで、この道30年のベテラン女性歌手に、1人で2時間、24曲も連続で歌ってもらいました。しかし、さすがはプロ!歌い終わりまで声は変わりませんでした。声帯もわずかに充血した程度。実は、声帯は筋肉の一種で、歌い続けて疲れてくると血が溜まり充血します。これが、声がれの原因。しかし、プロは毎日たくさん歌うことで、声帯が鍛えられほとんど充血しないのです。正常な声帯と充血した声帯 2面比較さすがに声がれを完全に防ぐことは出来ませんが、休みを取ったり、声帯を乾燥させないよう、こまめに水分補給をしたりすれば症状を少なくすることができます。試しに先程の4人に、歌う前と、水分を補給しながら2時間歌った後に、10分間ガムを噛んでもらい、噛み終わった直後の唾液量を測ってみました。すると…歌った後は全員唾液の量が減っていたのです。実は、カラオケを歌って興奮状態になると、交感神経がより働き、唾液の分泌量が減ってしまうのです。水分以外にも梅干しやレモンなど酸っぱい物を食べたり、匂いを嗅ぐだけでも唾液が分泌されるので効果が期待できます。

所さんのポイント
ポイント2
カラオケで興奮状態になると、交感神経が働き唾液の分泌量が少なくなる。声がかれないようにするには水分補給が重要なのだ!

カラオケの疑問④ 「年をとると声が変わる!」
 年をとると、声が変わるって本当でしょうか?そこで、週1回カラオケを歌っているという平均年齢およそ80歳のおばあちゃんたちの集まりを訪ねると、皆さん実際に声が低く、60歳を過ぎた頃から、声が低くなったといいます。専門家によると、年をとると声帯が萎縮し、息がもれて擦れた声になってしまうと言います。ただし、男女はホルモンの影響で声の変わり方が違い、女性の場合は声帯が柔らかくなるので声が低くなり、男性は声帯が硬くなるので声が高くなるそうです。声帯の萎縮をなるべく少なくするには、日頃から声を出し、声帯をよく使った方がいいそうです。



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