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欠点克服!? 快適 お花見
第1027回 2010年3月27日


 いよいよ年に一度の大イベント、お花見シーズン到来!そこで、今回はお花見の人気の秘密を科学で徹底解明します!

 そもそも、なぜお花見といえば桜なんでしょう?梅や桃もキレイなのに、長時間木の下に座って宴会するのは桜だけですよね。専門家に理由を尋ねると、桜を上から見れば答えがわかると言います。そこで、梅の木と桜の木を上下から見比べてみることに。上から見る時には高所作業車を使います。まずは、梅の木ですが、下から見ても真上から見ても同じようにキレイでした。今度は桜!下から見るとお馴染みの美しさですが、高さ6mの真上から桜を見てみると…花が上を向いておらず、見えるのは花の裏側や茎のようなものばかり。桜の花、上下から見える数 2面比較さらに、桜と梅の枝を1本ずつ抜き出し、それぞれ上下から撮影して比較します。まずは梅の枝を下から見た時、おしべがハッキリ見えている花は9。同じ枝を上から見た時は6でした。一方桜の枝は、下から見た時、おしべがハッキリと見えている花は16あったのに、上向きの花はなんと0!実は、桜は1つのつぼみに3〜4つの花をつけ、それぞれが触れ合わないように咲くために、長い柄がついています。だから花は下を向いて垂れ下がっているのです。確かに、実であるサクランボも柄は長く垂れ下がっていますよね。一方、梅は枝に直接実をつけるので、花も直接、枝につくように咲くのです。つまり、下向きに咲く桜は、下から見上げながらのお花見に最適だったのです!

所さんのポイント
ポイント1
桜の花は下向きに咲くので、桜は下から見上げるお花見にはうってつけなのだ!

 さて、楽しいお花見ですが、欠点と言えば寒いことですよね。実際、お花見の時期の東京の平均気温は10℃。では、もっと暖かければお花見もさらに盛り上がってお酒も進むはず!そこでこんな実験!まずは花見の時期と同じ10℃に設定した部屋で、男性3名に2時間好きなだけビールを飲んでもらい、飲んだ量を測定します。スタートと同時に、皆さんハイペースで飲み続け、途中寒がりながらも終盤までペースは変わらず、2時間後、飲んだビールの平均は8.3杯でした。そして、2日後、同じ3名に東京の7月の平均気温25℃に設定した部屋で、2時間思い切り飲んでもらいます。暖かい部屋でどこまで記録が伸びるのか?と思いきや、なんと平均は4.3杯。さらに、飲んだ後にバランスボールに乗っていられる時間で酔い具合をチェックしても、3人とも2日前より、記録が大幅にダウン。暖かくてたくさん飲めるはずが、ビールの量は半分に減り、しかも、より酔っ払ってしまったのです。実験後の3人の血中アルコール濃度を10℃の時と比べても、飲んだ量が少ないのに、ほぼ同じ数値どころか、中には3倍に増えた人までいました。なぜ寒いとたくさん飲めて、あまり酔っ払わないのでしょうか?専門家に伺うと、人間は寒い環境にいると、なんとか体温を作ろうとエネルギーを燃やすそうで、お酒を飲んでいる場合はアルコールがエネルギーとなって、どんどん消費されるため、なかなか酔いがまわりにくいのだそうです。実際に、実験中の3人の体表面温度を見比べてみると、実験終了間際、25℃の時はそのままでしたが、10℃の時は体表面温度が高くなっていました。これはアルコールが熱に変換されていた証拠。つまり、寒い時期にお花見するからこそ、長い時間宴会を楽しむことができるんですね。

 さて、花見のお客さんたちから多く挙がったもう1つのお悩みは、ブルーシートなどで地面に直接座り、同じ姿勢でいるのは辛いという意見。ならば、イスに座ってお花見すればさぞかし盛り上がるはず!そこでこんな実験!世代の異なる初対面の男女合わせて16名に、イスとシートに8人ずつ分かれて同時に2時間のお茶会をしてもらいます。シートはイスより圧倒的に仲良くなっていた!まずは、どちらも全員自己紹介から始まり、2時間のおしゃべりが終了。実はここからが本番!どちらが盛り上がって仲良くなったか調べるため、抜き打ちの名前テストを行います!まずはイスチームから答え合わせ。すると…皆さんほとんど名前を覚えておらず、結果、イスチームの平均正解数は7人中、たったの1人でした。続いてシートチームの答え合わせです。すると…ほとんどの人がメンバーの名前を覚えていて、平均正解数は、7人中6人と、イスチームより圧倒的に仲良くなっていたのです。
 なぜこんなに差が出たのでしょうか?そこで、実験の様子をVTRで検証してみると、イスチームは当然のように最後まで席が替わらず、手前と奥で2つのグループに分かれて会話してしまったのです。一方、シートチームは1人がトイレに立ったのをきっかけに、席替えが始まり、その後もどんどん場所が入れ替わり、2時間で4回も自然に席が変わっていったのです。その結果、会話も弾み、ゲームまで始まり最後まで大盛り上がり!どうやら席が決まっていないシートだからこそお花見は場が1つになって盛り上がるようです。つまり、シートでのお花見は、初対面の人同士で親睦を深める新人歓迎会などにはうってつけと言えるでしょう。

所さんのポイント
ポイント2
シートでのお花見は、自然に席替えができ、場が一つになって盛り上がるので、初対面の人と仲良くなるには最適なのだ!




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